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兵器と巫女と  作者: 沙希
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八話 神社の生活 二版

八話です。

 神社での朝拝を終えてから三十分後、彼女が朝食を作り上げた。今日の朝食はサラダと味噌汁、焼き魚とご飯、それにお茶だ。俺は流石に驚いた。元の世界よりも豪華じゃないか。元の世界だとすると、ご飯と梅干し、追加で漬物が出てきたら上々だからである。朝から魚は豪華過ぎるだろ。良い意味でおかしいよね。お茶が飲みたければ自分で淹れなくてはならなかった。まあ、お茶汲みに関しては、そんなにも苦ではなかったが。


 それでは、いただきます。うん、今日の野菜も新鮮でシャキシャキで良い。魚も焼きたてで温かい。魚は焼き立てが旨い。それに今日のお茶は、ひんやりとして、すっきりとした渋みが美味しくいくらでも飲めそうな水出し緑茶だ。冷たいお茶というものは働いた後には最高だ。でも、水出し緑茶は、良い茶葉と少し長い待ち時間が無いと美味しく出せないからなぁ。……こんなに良い茶葉を持ち、美味しい淹れ方を知っているなんて彼女もひょっとするとお茶好きかもしれない。もしもお茶好きだったら嬉しいなぁ。


 色々考えながら、彼女の料理を美味しく味わって食べていると、あっという間に完食してしまった。美味しかった、ご馳走さまでした。食べ物の彼女に感謝をして頭を下げると、彼女も食べ物に頭を下げた後、嬉しそうに微笑んでくれた。


 食事を終えると、次は彼女と共に神社の裏手にある畑へと向かった。神社の授与所に行かなくてもいいのか、とは思ったが彼女が行こうとしないので大丈夫なのであろう。畑のサイズは本職では無く、家庭菜園として考えると、あまりにも広すぎる。一万平米位の土地はありそうだ。分かりやすくいうと小さな野球グラウンド位である。作物も様々な物が植わっている。玉葱にそら豆、キャベツ、アスパラガス、葱など様々な野菜が瑞々しく実っていて、取り放題が出来そうな位に豊作だ。今ここに、たわわと実っている野菜の種類からして、ここは今、春なのかな。


 おっ、あの青々しく、少し尖った先端の葉。あれはもしかして茶の木かな。いや、あれはどうみても茶の木だ。その隣には光を遮断するためであろう黒い網がかかっている物もある。黒い網が掛かっている物は玉露だ。成る程、ここのお茶は自家製だったのか。でも、自家製のお茶だとすれば、焙煎する機械が必要なはずだ。しかし見当たらない。どうやって焙煎しているのだろうか。もしかして手揉み茶なのか。今の時代、手揉み茶はなかなか見られない。ただ、仮に手揉み茶でも蒸し器とかは必要なはずだ。いや、普段は邪魔になるので収納しているのか。ここのお茶は本当に美味しいし手揉み茶なのかもしれないな。


 農場の土の質も良く出来ている。少し土を拾い、握ったりしてみた感触はとてもふかふかだ。堆肥を使っているのかな。それ以外にもかなり良質の黒土も使われている。

 有機質の肥料を使っていたり、肥料すら使わず堆肥だけで育て上げた野菜はかなり甘く大変美味だ。その上、採れ立てである新鮮な野菜程、美味しい野菜なんて存在しない。採れ立ての野菜は、フルーツと同じレベルで甘く美味しい。しかし、たったの一晩置いておくだけでも味は随分と落ちてきてしまう野菜も存在するのだ。今まで、味についてしか話さなかったが、有機野菜の良さは味だけではない。健康にも良いのだ。自然の恵みによって生み出される自然の恵み、最高で無いはずが無い。もっと流行ればいいのに。そうだ、言葉を覚えたら、彼女に無肥料農業を教えてあげよう。それがいい。


 ……おっと、少しばかり語り過ぎた。取り敢えず、最後に語った有機野菜は最高だ、ということを世界中の人に分かってもらえればいいと思う。


 俺が農地に興奮していると、彼女が野菜の収穫を始めた。今思ったが、彼女は巫女装束を着たまま農業をするのか。少し無理がある気がする。……今回は俺もだが。流石に巫女装束を着たまま農業をしたことは一度もない。そもそもそこまで動きやすい服というわけでもないはずだ。その上、本物の巫女装束はかなり高級品だったはずだ。彼女にとって巫女装束はもう体に馴染みきっているのだろうか。もしそうだとしても、そんな良い服を着て農作業をするなんて、本当に底の知れない人だ。


 まずは、今何も植えていない土地の耕作を行った。これから俺も食べるようになれば野菜の減りが早くなってしまうからなぁ。しっかりと腰を入れて鍬を使い、農地を耕す。この単純な作業で土をふかふかに戻した。元々彼女が野菜を植えていた良い土だったので少しばかり土壌改良をしてしまえば問題無さそうだな。


 次に、雑草を引っこ抜いていた。こんなにも単純な作業だが以外と大変な作業の一つである。元々地味ながら大変な草むしり。だが、今回は巫女装束を汚さないように気を使いながら草を抜かなくてはならない。特に袖の部分が何度か地面に着きそうになった。袴も踏まないように気をつけなければ。


 その後、巫女装束を出来る限り汚さぬように草抜きを終えたが、農作業なんて絶対に服を汚さずに行うなんて不可能だ。少しばかし汚してしまった。最後に今日の昼食と夕食で使われる予定の野菜を収穫して終わった。美味しそうな食べ時である野菜を選択して、収穫していった。

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