三十一話 店内戦闘
三十一話です。
今月のみですが、三日に一度投稿頑張ります。
構え。真弥さんの叫びと共に、ドアが豪快に開け放たれた。
ここにいる皆がしていたであろう予想と違い、そこにいたのはただの客だった。
そうであったならどれだけ良かっただろうか。だが、現実は予想の上を行ってはくれなかった。
そこにいたのは俺が最初に会合した奴と同じ鎧。いや、鎧とは違うな。そうだ、戦闘服だ。その戦闘服を来た人が立っていた。
だが、そいつを俺が認識した瞬間、そこには、どんなときでも綺麗に輝く花火があった。
すかさずに体を屈めてバリケードに身を隠し、飛び散った火花と爆風を回避する。
そして、花火が撃ち出された方向を見ると前に見た『花火の四尺玉を創造して、発射出来る砲』を縮小した物を構えた真弥さんがいた。
「流石に私達の店で四尺玉で派手に咲かせる訳にはいかないから、三寸玉で我慢してあげる」
いや、三寸でも十分な位ヤバイんですが。というか、さっきの砲って四尺玉砲以外にもバリエーションがあったのか。
「真弥姉やり過ぎよ。店を破壊するつもりなの」
「やり過ぎな訳ないでしょ。これくらいの威力じゃないと効かないわよ。それでも、やっぱり不安だわ。四尺玉を叩き込まないと」
ここら一帯に花火が炸裂する音が大きく鳴り響いたため、なんだなんだと奴等が二人駆けつけてきた。
が、しかし、またそこには花火が二星、美しく花開いていた。
美しいのは良いが、それでも疑問は沸いてくる。
「……砲のくせに連射性能高すぎやしないですか」
「まぁ、これは正しくない使い方なので。本来の用途ならこれくらいの性能じゃあまだまだ物足りません」
その砲一門でスターマインまでするつもりなのか……
でも、性能は確かな物だ。連射性能が良い方がいいか、悪い方がいいかでいうと、どんな使い道でも良い方がいい。どうせなら正しい使い方を見たかったが。
「なによ、真弥姉。あんな思わせぶりな事言って、ただの雑魚じゃない」
「気を抜かないの、真優。今のは全部新兵よ。熟練兵が来たら、こうはいかない」
その後も奴等は度々やって来て、店に突入しようするが、その瞬間に真弥さんが花火砲を発射して奴等を倒して行くので、俺達は何一つすることがなかった。
遂に力量差による恐れからか、突入しようとする奴がいなくなった。なんだよ、やっぱり雑魚ばっかりじゃないか。
……だが、真弥さんの言う通り、そんなに甘い敵ではなかった。
噂をすれば影が射すと言う諺があるが、たまには微妙な時間差が生じることもあるらしい。
「遂に来るわよ、今までの人達とはまるで違う強敵が。皆、気を引き締めて。気を抜いた瞬間……死ぬわよ」
真弥さんのその声を聞いた時、店のドアとその周辺の壁が消滅していた。しかし、消えたドアと壁の向こう側には人影ですら無かった。花火の直撃を受けていた奴等の姿すらない。恐らく逃げ出したのだろう。
でも、奴はいったい何処に隠れているんだ。神経を研ぎ澄まし、敵の気配を探るが、やはり分からない。まぁ、素人が見よう見まねで出来る技ではないか。
緊迫した空気が続く。相手は何故入ってきて殲滅しようとしないのかとも思ったが、恐らく真弥さんの花火を警戒しているのだろう。ただの新兵だったとしても、彼処まで一方的にやられていたのでは警戒もするだろう。
このまま雑魚みたいに諦めて逃げ出してくれればいいのに。そんな叶うわけの無い願いを心の中でしていると、事態が変わった。
ようやく奴が姿を見せたのだ。だが、そいつは一目見ただけで他の奴よりも甘くはないということが分かった。
……なぜならば、大人一人弱程度の大きさを持ち、見るからに大層頑丈な透明の盾を持っていたからだ。所謂大きめのライオットシールド的な何かだろう。
多分、この不毛な睨み合いの最中に他の奴に取りに行かせていたのだろう。
くそ、完全に後手に回ってしまった。多少のリスクを犯しても、俺が突撃した方が良かったか。いや、それはそれで後ろから撃たれていた気がする。だが、状況が悪化したのは事実だ。この間違いなく強固な盾なら花火砲であっても防がれてしまう。
俺は一体何をすればいいんだ。どのように動けば皆を助けられるんだ。
待っていれば誰かが絶対に皆を助けられる方法を教えてくれる訳でもない。だから、俺が考えるんだ。今最適な方法を。




