二十三話 終焉の街
第二十三話です。
昨日もいつもと同じ一日だった。梨沙さんと朝拝を済ませて、朝食をとり、ここからは自由な時間。大分まともに話せるようになったとはいえ、まだ、分からない言葉は当然たくさんあるので、言葉の勉強したり、魔法の練習を積み重ねたりだ。そして、夕拝をして夕飯を食べて寝る。本当に変わらない一日だった。
そして、今日。朝拝の時見た空、それは美しい蒼空だった。そして、その光の中にあったのは美しい満開の桜であった。
朝拝を終え梨沙さんと食べる朝御飯。その時から小さな異変があった。グルグラグルグラと、机が揺れる。小さな地震が多発していたのか。俺はそう思い、梨沙さんと話をしながら、食事をしていた。今日も緑茶がおいしかった。俺がこの異変の真の原因について気付いたのはこの後、外に出たときの事だった。そう、まだ分からなかった。俺の回りが全て歪み壊れていくなんて。
そして、俺と梨沙さんが外に出たその時に、空気に違和感を感じるような気がした。
それに、いまだ続く小さな地震。俺の背筋が凍り付くように冷える。絶対にあってはならないことが起こっている。俺がそう感じるには十分過ぎる感覚だった。
「すいません。梨沙さん。俺、街へ行きます」
「駄目です。一葉くん。今一葉くんを街へ行かせるわけにはいきません。何だか嫌な予感がするので」
「俺も同じです。街でなにかが起こっている。そんな感じがするんです。」
「私もそう思います。だからこそ、行かせられません。私が行きます」
「駄目だよ、梨沙さんこそ行かせられない」
俺が絶対梨沙さんを街へ行かせたくない。そう思う気持ち同じくらい梨沙さんもそう思っていたらしく、延々とこの押し問答が続き、最終的にはお互いに折れて、二人で行くこととなった。
あの辛い山の移動も今となってはレビテートブーツとこっちに来て付いた体力のお陰でそこまで辛い物では無くなっていた。それにアドレナリンも相当出ていたのもあるだろう。
そして辿り着いた街。それは最早今まで見てきた景色とは完全に別物であった。
燃えて、凍って、溶けて、歪んで、散って、消えた街。何があったらこうなるんだ。迷いなくそう言いきれるこの状況。この感じ、最初にあの山に飛ばされてきた時のあの感じに似ている。ここから先は異世界です。そう言われても納得できそうなレベルで街は廃墟と化していた。
「なに、これ……」
「街が無くなってます……」
俺と梨沙さんがショックで立ち尽くしていると、街の中心部から爆音が聞こえた。
「行こう、梨沙さん」
「はい、御一緒に……行きましょう……」
普段は山の神社で生活してるとはいえ、この街で色々なことがあった。俺より長くここにすんでる梨沙さんには本当に大きな衝撃だろう。
呆然自失となりながらも、今は進むことしか出来ない。そう思い、俺たちは進んでいった。
更新また一週間遅延しました。
JR並によく止まりますが、これからもお付き合い頂けたらありがたいです。




