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兵器と巫女と  作者: 沙希
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十七話 魔道具店にて

第十七話です。

 遂にこの時が来てしまった。街へ行く為には、この姿を人前に晒さざるを得ない。そして、意を決し、旅館から一歩街へと踏み出す。よし、行くぞ。


 少し歩くと街道に出た。……よし、多分ばれてないだろう。ときたま視線は感じるが、隣を歩いている梨沙さんが見られているのだろう。彼女、相当なべっぴんさんだからな。このまま何も起こらないまま無事に街の探索が終わりますように。気持ちを切り替えて進んでいくか。

「一葉さんは、何処へ行きたいですか」

「ふぁっ」 

 そう思った矢先に、突然梨沙さんが話しかけてきた。流石に少しばかりはビックリした。職務質問されてもおかしくない状況なだけに、少し肝が冷えてしまった。

「魔法、とかの、店、かな」

 気を取り直して俺はそう答えた。やっぱり魔法と言うのはとても気になる。それを扱える様になる道具に関してもしかりだ。これは帰る為に必要になる絶対に重要な因子になると俺は踏んでいる。

「了解しました。私に任せてくださいね。ううん、だとするとここからなら近いところにあるあのお店が良いですかね。私も行って見たかったんですよね。入った事はありませんけど。大丈夫ですよね、きっと……」

 梨沙さんが答えた後、少しボソボソ呟いていた。

 もう既に不安なんだが、本当に大丈夫なのだろうか。


 それから十分位街を歩いただろうか。

「到着しました。ここが、魔道具店です。」

 そこにあった建物は小さいながらも、綺麗な外装のお店だった。

 店のドアを開けてみると、ベルがカランカランと鳴った。

「いらっしゃいませ。魔道具店 白妙へようこそ」

 そういって、ある一人の女性が出迎えてくれた。パッと見た外見は、髪は黒のセミロング、身長百六十五センチメートル辺り、歳は十八歳位だろうか。随分と若い店員さんだ。

「おはようございます、はじめまして。私は……」

 俺が彼女を見ていると、あっという間に梨沙さんがその店員さんとお話を始めていた。


 俺も話して見たいとは思ったが、今の服装的に下手に他の人と話すのは自重しておこう。梨沙さんはひょっとすると、俺に気を使って店員さんを遠ざけてくれたのかな。

 ……いや、俺に巫女装束を着せて、その感想が姉妹見たいで嬉しいとか言う梨沙さんの事だ。その線はあり得ないな。

 まぁいいか。折角だからじっくりと魔道具でも見てみよう。


 店内をズラッと見た感じは、何て言うか面白い。家電量販店でもなければ雑貨店という訳でもない。けれど、変わった興味深い物がたくさんあるのだ。

 分かりやすい物として、真っ先に目についたものはチャッカマンだ。何処からどう見てもチャッカマン。ただし、燃料タンクが無い。どうやら燃料を使うのではなく、魔力で火をつけるらしい。他にも、懐中電灯っぽいものや、十徳ナイフ的な物もある。……一体、十徳ナイフのどの辺に魔法的要素があるのだろうか。


 でもなるほど、これが魔道具か。結構現代の道具と似ている物も多いな。

 他にもいかにも典型的な魔道具という感じで、さっきのチャッカマンと同じ様な物で、水や電気、風を放出できるマイナーチェンジモデルもあった。所謂お約束的魔道具だなぁ。

 と思ったが、魔道具だぞ。最初に見た梨沙さんの魔道具だってワープ出来るタイプの物だった。そう、やっぱり魔道具がこんな普通の物だけですむはずが無かった。


 『三分で美味しい肉じゃがを作る鍋』『豆腐のように岩盤を掘れるが、まともに土を掘る事が出来ないシャベル』『湖を凍らせて、かき氷を作る機械』『入れたものを何でも寿司にする箱』『全く疲れずに歩けるが永遠に止まる事が出来なくなる靴』『花火の四尺玉を創造して、発射出来る砲』……一体、誰に向けて作ってるんだよ、これ。発想自体は面白いけどどう考えても普通じゃない。


 変な魔道具だらけの中でも、目を引いたのがこれだ。『簡単な願いを一つ叶えられるが、自分がいる場所で天変地異が起こる小型アクセサリー』……出来る事は相当凄いけれども、使ったら死んじゃうよ。それどころか街が一個消えて無くなるよ……いや、単位が街で良いのかすら怪しい。

 こっちの魔道具も気になる。大きな木で出来たこの棒の魔道具。『当てた物をとんでもない勢いで弾き返す棒』らしい。これをバットの形に削って野球をするとホームラン飛ばしたい放題だな。いや、こんなインチキをして野球をしてもこれっぽっちも面白く無いだろうな。邪な考えは捨てよう。

 でもまぁ、そもそもこんなバットを持っていても、豪速球や変化球を捉えられない俺では三振を量産するだけだろう。これじゃあ、完全に宝の持ち腐れだ。やっぱり野球が上手くなりたいならば努力だよ。努力。いや、野球以外も努力が大事だな。


 誰がどう見ても変わり種の魔道具もあったが、それを含めても面白い。さっきの棒みたいに発想次第で面白い使い方が出来そうでもある。

 それに、前の世界では、あり得ない様な物ばかり。何だか気分が高揚してくる。これなら美味しいお茶を淹れてくれる魔道具でも探したら見つかりそうだな。ちょっと探してみるか。


 残念ながら美味しいお茶を淹れてくれる魔道具は無かったが、探している最中に、おっ、これはいいな。という物を見つけた。

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