違います、女の子が好きな訳じゃないんです!
初投稿です。
よかったら読んでください。
「小林…、いや、恵ちゃん。好きだ、付き合ってください!」
「…松本くんだよね?」
「…違う、亮子ちゃんだ!!」
小説でよくある告白のシーンは学校の人気のない場所。
そんな場所で私も告白をされている…はず。
嬉しい事は、相手が私の気になっている人だった事。
そして不思議な事は…、その相手が女装している事。
…なんで!?なんで告白のタイミングで女装なの?!
というか人気のない放課後の教室で告白まではいいとして、
いつ人が来るか分からない教室で女装って…
大丈夫なの、松本くん!
気になっている人…同じクラスの松本亮くんは少し顔が怖く、
あんまりおしゃべりではない。
イケメンだけどあまり近づけない、と話題に上がる人だった。
そんな彼が私に告白してくれるなんて…、女装で…。
嬉しい、とても嬉しいのに…女装の方が気になって仕方ない。
そしてなんで亮子ちゃんだって言い張っているの?
亮くんだから亮子ちゃん?
考え込んでいる私の前で、松本くんはキョロキョロし出した。
「…なぁ恵ちゃん…、返事は?」
「返事?」
「告白の返事だ!」
「その前になんで女子の制服きてるの?」
そこから聞かせて欲しい。
「くそっ…、やっぱり女子じゃないとだめなのか!」
松本くんは突然そう言ってはいていたスカートを脱ぎだした。
ちょっ!あ…、下から体育着のズボンはいてるんだ…。
松本くんはスカートを机の上に置き、溜め息をついている。
「やっぱり小林は女子の方が好きなんだな…、
男の俺ではだめなんだな…」
小声でぼそぼそ言ってる内容がとんでもないんだけど!
「ま、松本くん!私女の子の方が好きなんてないから!!
突然なんでそんな事言うの!
確かに友達は女子しかいないし、
いつも友達に囲まれてて男子と話しなんてしないけど、
別に恋愛感情として女の子が好きなわけじゃないの!
友達がチャンスを奪っていくの!
私だって彼氏とか欲しいの!」
友達には彼氏がいるのにっ!!
言い切った私に、松本くんは驚いた(´・ω・`)をしている。
…し、失敗した。
ここは「嬉しい!私も好きだったんだ…」って答える所だった!
今まで散々恋愛小説とか読んできたのに!
実践にいかせないなんて!
ああああああああ、と頭をかかえていると、
松本くんが突然嬉しそうな表情に顔を変えた。
「本当か?!小林も俺の事好きだったのか…。
いつも女子に囲まれて嬉しそうにしてるし、
男子に話しかけないから、女子が好きなのかと思ってた。
だから女子の恰好をすれば…、少しは勝機があるかと…。」
私、周りからそんな風に思われてたの!?
けど、だからって女装すれば勝機があると思ったの?
松本くんすごいよ…。
そんなナイスな筋肉がついた足がスカートから出てる点とかは、マイナスだと思わなかったんだ…。
両想いだという事に喜び始めた松本くんは、
もう女装の事なんて気にしていないみたい。
小さくガッツポーズをとったりしている。
…、まぁ私も彼氏が出来た事だし、よしとしよう。
ちょっと友達と話す事があるけど…、覚悟してろよ…。
「小林、今日はこのまま一緒に帰らないか?」
「松本くん…、それは嬉しいけど。とりあえず服装直してね…」
松本くん視点も書きたいな、と思っています。
なんでこんな勘違いをしてしまったか、
小林さんの友達の思惑など書けたらなーと。