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媚態の花  作者: 花南
24/24

08/22

 それから一ヶ月が経った。大学の講義も警察署での研修も、とても順調だった。このまま毎日が順調に行くような気がした。

 レインマンに「マシマロが食べたいです」と言われたときに、ゼラチンを切らしたことに気づき、どうせ大量に必要なのだから、業務用を買おうと思っていつもと違う店に行ったのが間違いだった。


 デジャヴ。

 業務用スーパーの精肉売り場でアランが仕事をしているのを見たとき、思わずそう思った。

荷物をいっぱい積んだカートを押して逃げるようにレジのほうへ走ると、後ろから彼の笑い声が聞こえた。

 もうあいつには会いたくない、そう思うのに何度でも出会ってしまう。自分が誘蛾灯だからか? それともマリー・ルイーズの香水があいつを引き寄せているのか。

 いずれにせよ、もうあいつとは関わらない、もう絶対に関わらない、そう胸で誓いながら全力で逃げた。

 事件はギーが望まなくても向こうからやってくるものだ。望まぬものだけ引き寄せる不幸な青年はトラブルの種から逃げることだけを考えた。立ち向かう勇気など土断場にならないと発揮されない、そんなひ弱なプロファイラーの事件簿のオチはそんなところである。


(了)

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