表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
媚態の花  作者: 花南
22/24

07/20

 その日の午前、思わぬ客人がやってきた。パリ市警の刑事である。なんでもギーにプロファイラーとして仕事をするつもりはないか、ともちかけに来たそうだ。ギーはどう答えようか迷ったが、隣からレインマンが

「どうせトラブルはどんどん突っ込んでくるんですから、やればいいじゃあないですか」

 と応援してくれたので、そちらの仕事も掛け持ちでやることにした。

「そういえば結局フランチェスカは捕まらないままですね」

 ギーが思い出したようにそう呟いた。レインマンはしばし沈黙したあとにこう言った。

「もう彼女、死んでますよ」

「え?」

「殺されました。あなたが部屋に置いている熊のぬいぐるみから彼女の情報を読み取りました」

「だ、誰に殺されたんですか?」

 レインマンはもう一度沈黙して、「誰かに放火魔を殺して欲しいって依頼したでしょう?」と言った。

「……アランに」

「そう。彼ですよ」

 言った。たしかに自分はアランに放火魔を殺してほしいと言った。しかしだからといって、あの時点で放火魔が見つかると思っていなかったし、ましてやフランチェスカが犯人だとも思っていなかった。そして本気で彼がフランチェスカを殺すとも思っていなかった。

「あなたはこうも言ったんじゃあないですか? 『あなたは僕の気持ちがわかりますか?』と。あの人はあなたへの好意をこういう形で表現したんですよ、とても残念なことです」

「そんなことって、でも冗談ですよね?」

「冗談で人が殺せるとしたらそのほうがびっくりです」

 呆然としているとレインマンは最後にこう言った。

「だから言ったでしょう。あの男は危険だから要注意だって」

「わ、わかりました」

 動揺したままそう言った。アランは恐ろしい男だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ