強くてニューゲームだけど、説明が面倒です
地球の日本で生まれた俺は、ある日突然異世界に転生した。
たしか、事故で死んだはずたが気がついたときには何もない真っ白な空間にいて、自称神様な女性によって異世界へと転生することになったのだ。
大国に属する地方な小さな村で生まれた俺だが、父親は元王族(継承権はしたの方だったらしいが)で、母親はそれなりに大きな貴族の生まれだったらしく、一応その村の領主というか、村長と言うか、とりあえずその村のトップであった。
異世界転生による物なのかは知らないが、幼い頃から様々なスキルを持っていた俺は、成人すると魔族の王である魔王を倒すべく王都へと呼ばれ、俺の叔父にあたる騎士団長のもとで様々な訓練を受けた。
紆余曲折を経て、魔王を倒すことには成功した。
しかし、失ったものはそれ以上に大きかった。
旅に出る直前、大量の魔族に攻められた王都は壊滅。
その進行ルートにあった俺の村も壊滅し、両親と妹を失った。
旅を終える頃になんとか復興した王都に戻ると、歓迎を受けたが色々なものを守ることができなかった俺は王都を出て、故郷の村だった場所に戻り少しずつ復興させていった。
勇者のいる村
そんな呼ばれかたをされた村はしだいに人が集まり、やがて大きな村になり、俺が死ぬ直前には王国第2の大きさの街になっていた。
俺の死因は老衰だ。
共に旅をした仲間と結婚し、子供も生まれ、孫にも恵まれた。
俺の死の間際には皆集まってくれて、皆に見守られながら穏やかな気持ちで死ぬことができた。
そして、気がつけば。
俺は真っ白な空間にいた。
「お疲れさまでした、クリス」
クリスとは、俺のこの世界での名前だ。
俺の名前を読んだその人は、俺をこの世界へと転生させた自称神様な女性だ。
「どうでしたか、第2の人生は」
「満足してるよ」
「……本当に?」
「……。いや、1つだけ心残りがあるかな」
「聞いても?」
「大事だった人たちを守ることができなかった。俺にその力がありながら、それをすることができなかった。できることなら、やり直したいぐらいだ」
もちろん、嫁と子ども、孫に恵まれたあの世界が嫌な訳ではない。
ただ、もしやり直すことができたなら、その考えを捨てたことは、否捨てることができなかった。
「じゃあ、やり直しますか?」
「え?」
「あの世界とは次元の違う同じ世界、あなたのもといた世界の言葉で言うなら、パラレルワールドになりますが、そかへ再び送ることはできます」
「今度こそ、守ることができるのか?」
「あなたが望むなら」
「なら頼む」
「後悔はしないですね?」
「あぁ」
自称神様な女性がその手に持つ杖を俺に向けると、俺の体は光に包まれた。
「荷物も一緒に送っておきますね」
その呟きと共に、俺は意識を手放した。
「んっ……。ここは……?」
ゆっくりと目を開けると、そこは馬車のなかだった。
なるほど、王都に向かっている途中か。
足元には大きなバッグ。
これが、自称神様な女性がいっていた荷物か。
中を見れば、大量の宝石貨が入っていた。
俺が現役のときに稼いだ金だろう。
ちなみに、金の単位は銅貨、銀貨、金貨、宝石貨の順に高価なもなになっていく。
王都にすむ人たちの年収が金貨10枚ほどだ。
宝石貨はその金貨の100倍の価値がある。
次にステータスの確認だ。
自分のステータスを確認すると、現役時代そのままでスキルもそのままもっている。
このステータスがあれば、今度こそ俺は守ることができるだろう。
「到着いたしました」
いつのまにか王都に着いていたらしい。
馬車を降りると、目の前に王城があり、その入り口には俺の叔父がまっていた。
「よく来たな、クリス。これからおまえをみっちり鍛えてやる」
あぁ、この台詞も懐かしい。
そしてこの後、俺は注意されるんだ。
「よろしくお願いします、叔父さん」
「ここでは騎士団長と呼べ」
そのままのやりとりに、涙が溢れそうになる。
「よろしくお願いします、騎士団長」
「うむ、今日は疲れただろう。部屋を用意してある、ゆっくりと休め。明日からは特訓だ。おい、クリスの荷物を運んでやれ。俺に着いてこい」
「はい、明日からお願いします」
叔父さん、もとい、騎士団長が戻っていくと、その後ろにいたメイドたちが一礼し荷物を手に取り……持ち上げることができなかった。
そりゃあ、宝石貨が詰まっているからなぁ。
「どうした?」
中々こないのを不思議に思ったのか、騎士団長が戻ってくる。
「申し訳ありません、クリス様のお荷物が重く、私共では持つことが……」
「いったい何を持ってきたんだ……。仕方ない、今日は俺が運んでや……ぐぬぬ……」
騎士団長の顔が赤くなっていくが、中々持ち上がらない。
そうか、ステータスも強化されているから俺は普通に持つことができるのか。
「おい、本当に何を持ってきたんだ。中を見させてもらうぞ」
バッグを開く騎士団長。
みっちり詰まっている宝石貨。
腰を抜かすメイドさんたち。
口をパクパクさせる騎士団長。
少しして、ゆっくりとこちらを見ると。
「なんだこの金は?どこから持ってきた?まさか、貴様が盗みをするようなやつだったとはな!」
って、色々と懐かしくて何も思わなかったが、バッグにみっちり詰まっている宝石貨って、中々やばいじゃないか!
普通、こんだけの金を持つなんてありえないのだ。
「ち、違います!盗みなんてしてません!」
「じゃあ言ってみろ、どうしてこんな大金をもっている!?それを軽々と持ち上げる貴様はなんだ!?」
「えぇっと、その……」
「ん?」
「に、2週目なんです」
「2週目?なんだそれは、ふざけているのか?いいからこい、話は中で聞かせてもらう」
あぁ、魔王を倒す前に、まずはこの騎士団長を倒さなくてはいけないのか……。
ふと思い付いて、即興で書いてみました。
正直最後の、2週目~を書きたかっただけな感はあります。