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2014年/短編まとめ

堕落したユートピアで歌う

作者: 文崎 美生

禁忌、禁断、赤い果実。


アダムとイブはその実を手にして堕落した。


君がアダムで私がイブだとするのなら、ほの赤い果実は『愛』なのでしょう。


触れ合う事に交わる事に全てが崩れていくのです。


「『愛』しています」


絡み合う指と指。


離さないで離れないで、そういう思いを込めてギュッと握る。


決して認められることない『愛』の形。


それでもいい。


どんな否定も罪も罰も甘んじて受け入れよう。


君と私がいればそこは楽園。


堕ちて落ちてオチて……『愛』を歌う。


「好きっ……大好き」


唇を這わせて、小さな水音が鼓膜を震わす。


私の想いに答えるように、君の想いに答えるように紡ぐ言葉。


「『愛』してる」


重なる言葉。


終わらない愛の行方。


行き着く先は天国か地獄か。


「兄さん……」


そう呟いた私の唇を塞ぐのは君。


二人だけの楽園で生きるのです。


永遠に続く愛の歌。


その血を濃くして次へと巡らせましょうと二人は笑う。


想うことは罪であり、交わることが罰だと知っていてももう戻れない。

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