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大丈夫です

 どうやらまだ兄は帰ってないらしく、ログアウトして昼食を食べにリビングに行ってもその姿は見えなかった。


 冒険譚の事聞きたかったんだけど、いないのだから仕方がないか。


 軽く昼食を済ませた後、私はすぐにWAOにログインをした。時間的にはまだ夜ではあるけど、街中を見て周る程度なら別に夜でも問題はないと思ったのだ。


 身体の感覚がアバターに入り込んだのを認識して、私はゆっくりと目を開ける。


ベットの上で横になりながらログアウトした為に、今は仰向けで天井を見つめている状態だ。


 ギルドで立ったままIN・OUTするより違和感がないし、今後は極力宿屋でログアウトしようかな。


 私はそう思いながら上半身を起き上がらせ、ベットから足を降ろして淵に腰かける。そしてフードを被り、問題がないか入念に確認してから立ち上がり、部屋から出ていく。


 ちなみにの話なのだけど、宿屋の部屋が満員になると言うことはないらしい。


 どうやら一種のインスタンスエリアの様で、受付で受理した後、階段を上った辺りで他のプレイヤー達と廊下のエリアがバラバラになる仕様となっている。


PTを組んでいる場合のみ同じ廊下のエリアになり、部屋を隣にという事が可能となっていた。


 そんな仕様の為に、部屋から出たすぐの廊下は不思議なほど静まりかえっていて、廊下の先にある階段を下りると──。


「おっと、すまん。よそ見してた」

「いえ、大丈夫です」


 突然喧噪が溢れ、この様に急に人が現れて降りてきた人や登っていく人がぶつかりかけたりする。


 そんな仕様なので暗黙ルールとして、右側に沿って上り下りすると言うのがプレイヤー達の中であるようだ。


その事を今回に宿屋を借りて、登るときにぶつかりかけて私は教えてもらった。


……もちろんアラート鳴りまくりましたが、なにか?


 宿屋の受付がある一階には食事処があって広々としてしている分、ここでたむろしていたりPT募集をしている人がいたりと様々だ。


 一番目立つのはPT募集をしている人だろうか。


PT募集をしている人はプラカードを掲げているので非常に分かりやすく、そして目立つ。


掲げているプラカードは普通に雑貨屋で買えるアイテムで、そこにPT募集に関する内容を記入して掲げ、そのプラカードを注視すると手元に募集内容のウインドウが手元に表示される仕組みとなっている。


 まだ夜も明けてないのに、もう募集かけてたりするんだなぁ……。


 そんな人々を横目に見つつ、私はフードの先を摘まんで目深にしつつ宿屋を後にした。

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