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「このクエスト、報酬ってどうなるんですか?」


 もうわからないなら聞く。聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥て言うし、気になったらどんどん聞いて行こう。もしかしたらまた何か隠しに引っかかるかもしれないし。


「報酬の方は、納品して頂いた陽光草の量などで増やしますし、お金ではなくポーションをお渡しするのも可能なので、報酬は明記していません」

「それって、ポーション数個にお金という形でも?」

「納品数によりますが可能です」


 なるほど。これは結構嬉しい話かもしれない。

 ポーションはまだ手持ちに無かったし、調合でポーションを作る際の見本として一つは欲しかったところだ。

 きっと、納品した陽光草で作られたポーションが報酬となるだろうし、このクエストを見つけられたのは凄く幸運──


 ちょと待ってよ。いや、でも、可能性はあるかな? ……聞くだけ聞いてみよう。


「ハルバークさん。納品した陽光草ってポーション生産に使うんですよね?」

「はい、そうですよ」

「それって、その……〈調合〉スキルでギルドの人が作るんですか?」

「いえ、違いますよ」


 だよねー……。やっぱりクエスト完了したら、システム的にポンとポーションが出来るパターンかぁ……。


「〈調合〉スキルを持つメルトレレスの住民の方に、依頼として生産をお願いしにいくのですよ」

「クエスト受けますので報酬はその人の紹介でお願いします!!」


 食い付く様にハルバークさんの手を握る私の耳に、チリンとクエストの受諾を知らせる音が聞こえた。



 ◆◆◆



「うぅ……また感知が上がってる」


 借りた宿の一室。私はベッドの端に座り肩を落とした。


 スキルのレベルがあがる事は悪くないけど、〈感知〉が上がった時って悪目立ちしたってイメージが強い。


 と言うのも、私自身でも驚く声を上げながらハルバークさん手を握り、ただのクエストを受けるとは思えない「報酬は人の紹介」の言葉。


 そりゃ注目集めましたよ。えぇ、アラート鳴りまくりです。レベルが上がったからか感知の数が増えて煩いのなんの。


 この見抜き野郎達めっ!


 受けてたクエストの完了をハルバークさんにお願いして、私はそそくさとギルドハウスから脱出して今に至る。


 借りた宿の一室は、狭く質素ながらも清潔感は非常にあって、苦になる様な点はない。


 入り口の扉から入って、正面の壁際に小ぶりなベッドが有り、その横にクローゼット。右手の壁には大きめの窓。そして扉がある壁際には、勉強机とも言えない簡素な机が配置されている。


 狭いと思う人もいるかもしれないけど、実に小ぢんまりとしていて好きな雰囲気だ。私、狭い場所割と好きだし。

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