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よし、並ぶか

 メルトレレスに戻ってきた私は、フードを目深に被り直してギルドへと一直線に足を向けた。

 クエストは全部終わったし、HPも削れて心許ないという事もあり、私は道草を食わずにメルトレレスに戻る事にしたのだ。


 夕焼けで茜色に染まる街中を眺めつつ、私はギルドの扉を開いて中に入る。

 ギルドの中は、今朝はNPCしかいなかったけど、今は日が落ち始めて戻ってきたと思われるプレイヤーでごった返していた。


 クエスト終了報告にカウンターのNPCに話しかけたかったけど、これはちょっと時間かかりそうだなぁ。


 NPC前にズラリと並ぶプレイヤーを眺めて、私は苦笑を浮かべる。

 クエストを受けた時と同じで、別にNPCに話しかけて報告する必要はない。クエストボード前に行く必要すらなく、注視して出てきたウインドウを操作して完了すれば終わりだ。


 とはいえ、それはちょっと味気ないなぁ


 私はギルドの中に設置されている椅子の一つに座り、長蛇の列を眺めて並ぶかどうするか考える。


 ゲームを始めてから初のクエスト終了だし、冒険してきましたという気持ちで終わらせたい。あっさりとウインドウ操作でパパっと終わらせるのはゲームらしいんだけど、せっかくのVRMMO

 なんだし……って考えると、逆にゲームなのにわざわざ並んで報告するのは、リアリティ溢れる行為なのでは?


 ふとその発想にいたり、私は長蛇の列に加わらんと意気揚々と椅子から立ち上がった。

 と、その時にカウンターの方に視線を向けると、カウンターの奥にハルバークさんの姿を見つける。思わずその姿を目で追っていると、現在ギルドハウス説明所にいるNPCに何やら話しかけ、複数回やり取りをした後に交代していた。


 ……やっぱり、WAOのNPCって普通じゃないよね。 まぁ、アインツからして普通じゃないけど。


 とはいえ、普通じゃないNPCの方が楽しめるのは確かなので、私は意気揚々とハルバークさんの元に向かう。

 まだ並ぶ前だし、道案内のお礼も改めてしたいしね。


「ハルバークさん、こんにちは」

「こんにちは。申し訳ありません、どなたでしょうか?」


 私の挨拶にハルバークさんはにこやかに返すも、フードで私の顔が見えないからか済まなそうな表情で誰何してきた。


「四季メグルです」

「ああ、メグルさんでしたか。どうやらお目当ての物は買えたみたいですね」


 私が少しフードを持ち上げて顔を見せながら自分の名前を伝えると、ハルバークさんは営業スマイルとは違う笑みを浮かべて迎えてくれた。


今後はこれくらい文字数でちまちま投稿になるかも!

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