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届かない声

お久しぶりです!前回の続きになります!

 翌日。教室に着き1限目が始まった。1限目は選択授業の幻奏学(音楽)、2限目は魔法史(歴史)、3限目は魔法薬学(理科)、4限目は実践魔法(模擬戦)。

 そして昼休み。珍しく大食堂に行く。リゾットを頼み席に着き暫くすると誰かが話し掛けてきた。

「隣はいいかの?」

「二人なんじゃが」

 話し掛けてきたのは見た目も服装もそっくりな人物だった。髪は緑でピンクのインナーカラー。緑の瞳、フリルのついたシャツに黒のハーフパンツ。ピンクの羽織りを着ていた。狐の面も付けており足元で半透明の丸が泣きながら跳び跳ねていた。

「いいですよ...双子だったんですか?」

「ありがとな。あぁ、双子じゃよ」

「レンの友人じゃったか。我はルー。宜しく頼むぞ?」

 レン・ラークスパー。リリエンと同じクラスの植物族の男子。

 ルー・ラークスパー。ライブラ所属の男子。

 年は13歳で通常より早く招待が掛かった奇才だ。下で跳び跳ねているのはレンとルーの使い魔。狐の面を取られたことを抗議しているようだ。

「あの...良いんですか?使い魔を放置してて」

「いいんじゃよ!」

 2人はリリアンのとなりに座り昼食をとる。他愛ない会話をしていると昼休み終了のベルが鳴った。

「じゃあの、レン。また後での」

「あぁ、またの。リリエン、いくぞ」

 授業を受けるため席を立ち大食堂を後にする。

 授業は魔法防衛術だ。 対魔法の生き残る術を学ぶ。

 そして放課後、レン、ノエル、リリエンはフェリス寮に集まり課題をやることになった。

 教室から出るとルーが駆け寄ってくる。どうしたのかと聞かれたので課題をすると伝えると一緒にやりたいとのこと。快く快諾をし課題をすることになった。

 フェリス寮につくと課題を広げ談笑しつつ進めていく。そしてふと話題に使い魔の暴走があがった。

「怖いですね...ボクの使い魔が暴走したらと思うと」

「そうじゃな...我も怖い...ルーは?」

「我もじゃ...先日も隣のクラスで暴走がおきたしの」

「明日は我が身とも言うからね...僕は使い魔がいないから平気だけど巻き込まれる可能性もあるし」

 そんなことを話しているとあっという間に課題が終わった。予定より少し早く終わったのでギリギリまで駄弁ることになった。

「そういえば...来月は競技祭じゃな。何の競技に出ようか?」

 競技祭とは毎年10月の後半に行われる競技大会のこと。体育祭とそこまで変わりはないが魔法部門があることが唯一の違いだろう。そして寮対抗で行われ1位になった寮には豪華な景品が与えられる。

「そうですね...運動部門と魔法部門それぞれに出なきゃ行けませんし。ボクは運動が苦手なので...」

「そうなのか?我は結構好きじゃ!出るなら障害物走がいいの」

「僕もそれがいいかな...体を動かすのは好きだし。あ、でも見学かな?フェリス寮には僕しかいないし」

「残念だけどそうじゃろうな。おっと、もうこんな時間か」

 時計を見ると針は午後6時を指していた。寮には外出制限があり午後6時半までに帰らなくてはならない。罰則は寮長が決めているのでバラバラだが。

 ノエル、レン、ルーは先ほど終えた課題を手にフェリス寮を後にした。

 翌日、教室に行くと競技祭の話になった。昨日予想した通りリリエンは見学だそうだ。そして1日2時間、各寮ごとに競技の練習が始まる。

「それと、リリエン。きみには別の仕事を頼みたい。やってほしいのは記録係だ。出きるかな?」

「はい。マーグレイヴ先生」

「では、放課後教員室にカメラとノートを取りに来て。ぼくが居なくても他の先生が渡してくれるから」

 そう告げるとエリオットは教室を後にした。

 放課後教員室に行くとラファエルが出迎えてくれた。

「いらっしゃい、リリエンくん。エリオットくんから聞いてるよ~!はい、カメラとノート!頑張ってね!」

 教員室を出て暫くしたところにある曲がり角。小走りで向かってくる人物にぶつかった。

「イッてぇな...あ、ごめんなさい!大丈夫でしたか?」

「え?あ、はい、平気です。気が付かなくてすみません」

「こっちこそ...あ、もう行かなきゃ!ごめんなさい!」

 彼は焦ったように立ち上がり走り去っていった。なんだったのだろうと考えつつフェリス寮に戻り1日が終わった。

 翌日。今日は学園が休みの日だ。生徒は皆街に出掛けたり、部活動を行っていた。

 リリエンは部活動に入っていないので今日は街に出掛けることにした。寮で使う備品を買ったり先月余ったお金でお菓子を買ったりだ。

 街とは言うがここはクロノ・ルーナ魔法学園が運営している学園都市だ。街を装った購買のような感じだ。

 ただ、なぜだか路地裏が騒がしい。リリエンは不思議に思い覗いてみると昨日ぶつかってきた彼が何人かに囲まれていた。

「おい、ぶつかっておいてお詫びもなしか?」

「なんとか言ったらどうだよ!」

 そう言うと仲間の1人が腹を殴ると彼は蹲る。少し息を整える仕草をすると立ち上がりすぐさま目の前にいる人物の脇を蹴ると相手はよろめき後退った。

 静かだが緊迫した様子が空気を伝い伝わってくる。これは誰でも見入ってしまうだろう。

 周りの騒音が気にならないほど見入っていると強風が吹いた。その風に乗って小さなごみが目に入る。痛みで目を瞑る。痛みが和らいで瞳を再び開くと彼の足元には絡んでいた不良が倒れていた。

 その事実に驚いていると彼は近づき話しかけてくる。

「あの、もしかしていまの見てた?」

「えと、あ、はい」

 答えると彼の顔が青くなり慌てて弁明を始めた。

「今のはアイツらが絡んできただけだから!ボクは悪くないから!ねえ、先生たちと寮長には言わないで!」

「う、うん。わかった。それより...平気だった?殴られてたところ」

 彼は何の事かと少し考えると大丈夫だと笑った。そして流れで自己紹介をすることになった。

 リリエンが答えると彼も答えてくれた。

「ぼくはエレン・ヴァレスです。種族はコウモリの獣人...使い魔は今寮にいるけど黒狼です。寮はフェンリル。寮長指名で副寮長になりました...よろしくお願いします」

 名前はエレン・ヴァレス。コウモリの獣人でフェンリル寮・副寮長。髪は灰色で瞳は鮮やかなブルー。左目の下にはホクロが2つある。黒の伊達メガネをかけている。

 その後も話を続けエレンはリリエンと同学年だと判明した。クラスはライブラでルーと同じクラスだ。

 日が落ちてきたのでお互いに分かれ寮に帰った。

 次の日、飛行術の授業中。ノエルと駄弁っていると異変が起きた。ノエルの使い魔がおかしな挙動をしはじめたのだ。

 瞳はつり上がり主であるノエルに噛みついた。独りでに魔法を使い周りに攻撃も始めた。

「え!?急にどうしたんですか?」

 ノエルは震えた声で問うがまるで聞こえていないかのように攻撃を続ける。

 その騒ぎにラファエルが気付きすぐさま防御結界を張り指示を出す。

「危ないから下がってて!それと、他の先生たちを呼んできてくれる?学園長優先で!早く!」

 その後の対応は早かった。生徒が教師を呼びに行き、駆けつけた教師が使い魔を気絶させ保護。

 それから暫くしてラファエルが戻ってきた。

「えーと、皆すぐ動いてくれてありがとう!それと、今回の暴走は魔力の揺らぎが原因だと思う。きっと新しい環境になっての一時的な揺らぎだと思うからそこは安心してね!それじゃ、今日はここまで。この後このクラスは授業免除だから1日休んでね!」

 ラファエルはそう告げると足早に教員室に入っていった。

「ノエル、大丈夫?気晴らしにでも行く?」

「だ、大丈夫、です。この前話したようになってしまいましたね...」

 そんな会話をしながら2人はフェリス寮に戻りカードゲーム等をしながら過ごした。

登場人物

レン・ラークスパー

一応兄。日々草の植物族。明るく気が短い。手が出る方。好きな食べ物は昆虫。

ルー・ラークスパー

一応弟。明るくおおらか。口が達者。好きな食べ物はドングリ(?)

エレン・ヴァレス

コウモリの獣人。気が弱いそうだが...?好きな食べ物は蜂蜜


いかがでしたか?

お楽しみいただけていれば幸いです!ではまた次のお話でお会いしましょう!

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