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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第8章
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【第80話:新生活の準備をします】

今回の拠点は人のこないだろう場所に作ったので、カモフラージュの必要がない。

これはとてもストレスが少なく快適なことだと3人は知った。

到着の翌朝から早速拠点の整備を始める。

直径30cmほどのホースを引いていくジュノ。

これは母船スパイラルアークに引き込む取水口になる。

拠点の場所としてここを選んだ理由の一つに、すぐそばに火口湖と思われる湖が有ったからだ。

面積は前回の火口湖よりずっと小さいが、音響探査によると100m近い水深があると解っていた。

水質も弱アルカリだが、わりと不純物は少なく母船の求める水資源としては理想的だった。

「よし‥‥これでいいかな?アイちゃん動かしてみて!」

短距離通信でアイ01に連絡をいれるジュノ。

「はーい、いくよぉ」

アイ01は母船のエンジニア席にいて、操作パネルの立体インターフェイスを操作する。

全身をつかうつんつん操作だ。

ごぼぼぼとホースが湖水を吸い上げる。

水域面積としては小さく100☓100mほどだが、10日程度吸い上げてもさほど水位は変わらないと思われた。

「いいです!ちゃんとプールしますよ」

「はーい、じゃあこれで固定しちゃうね」

アイ01と確認しジュノは作業を進める。

といっても仮の設置なので、アンカーとワイヤーで地面に固定するだけだったので、すぐおわる。

母船の水タンクに一度貯めて、そこからナノポッドと外の拠点方面に分ける。

今回も拠点は崖をくり抜いて作っていく。

入口を気にしなくていいので、どーんと彫り抜いて作業スペースを作った。

崖にえぐりこんだ広い部屋が外からすべて見える。

作業室の左の壁に、個室を3つ。

正面に左からトイレ、脱衣所、浴室、ダイニングキッチンと並ぶ。

それらはちゃんとドアを付けた。

滑走路や母船の着陸スペースなどを整備しながら、木材や石材も多量に手に入ったので、材料には困らなかった。

今回は家具類をほとんど持ち込めたので、半日程度で引っ越しが終わる。

お昼ご飯に間に合ってダイニングも整った。

「ふふ、このテーブルもなんだか愛着がわいてきたわ」

すべすべの表面は今回ニスを更新してきたので、ツヤツヤ飴色感がましている。

「ほんとだね、こうして古い傷が塗られて新しい傷が付く‥‥重なっていくのが素敵だ」

ジュノもしんみりとした微笑みで撫でる。

「はぁい、お昼はサンドイッチにしましたよ!朝焼いたパンですよ!」

香ばしいまるパンをスライスして、チーズと野菜と色んなディップと、手のかかったお昼ご飯が並んでいく。

今回テーブルの上に小さなテーブルセットが乗っている。

アイ達のテーブルセットを、アイカが起用に縮尺して作り載せたのだ。

今は4人共アイ達がそろってニコニコで充電中。

時々ぴぃちちと会話もしている。

交替で目を閉じるのはバックアップ中だと皆知っているので、安心できる作業となる。

バックアップを取ったから危ない仕事をさせても大丈夫と考える人間はここには一人も居ないのだが、万が一を経験してきた身としては安心の材料では有った。

そうして7人でダイニングを囲み、楽しげなお昼を食べるのだった。

午後からはジュノは外回りにも少し手を入れる。

「よぉしいけいけ!そこに入るんだ!」

ぴしぴしと枝を手に持った羊飼いジュノがそこにいた。

第二格納庫にしまいっぱなしだった羊を、拠点のそばに作った牧場に追い込む。

牧羊犬のようにアイ02がみーみーと羊を導く。

なぜか5匹に増えていたことはジュノには全くわからない。

これくらいの数だったな程度しか覚えていないのだ。

「よし、アイちゃんありがとね」

「うん!メエメ達も喜んでるよ」

アイは各個体の名前まで把握しているようだ。

「いつも美味しいミルクをありがとう。もっと大きくなったらお肉もおねがいね!」

ジュノの愛情に羊たちは可能な限り奥に固まり震えながら見ているのだった。

なぜかアイ02が両手を広げてジュノから羊たちを庇っている。

アイ02はもう涙目でふるふる首を振っている。

「やだなぁジョークよじょぉく‥‥」

にんまりわらうジュノを魔王でも見るような目でみるアイ02だった。

牧場とそのまわりを見栄えにもいいよねと芝を植えていくジュノ。

特殊な装置で水分と種を振りまいていくと、半日程度で芝生になる便利ナノマシンアイテムだ。

拠点の前を通り火口湖のちかくまで振りまいていく。

ここは船員達の憩いにもなるなぁとどんどん広げていくジュノ。

「あれ?たまぎれだ‥‥むぅんもっと植えたかったな」

結構広い範囲を芝にかえてしまうジュノだった。

あとでアイカに無駄遣いと怒られるのであった。

まあまあ綺麗になったし赦してあげてと、ヴェスタが取りなすところまでがセットだ。


「いっしょいっしょ、とりゃ」

じゃぼん

ジュノは水上機からボートも引っ張り出してきて火口湖に浮かべた。

「よし。これで舟遊びデートができるよ!」

にっこにこのジュノはどんどん拠点周りを整備していく。

自分好みで、ヴェスタに気に入ってもらいたいなと。

「オールのほうが風情があるわ‥‥」

ジュノは母船の資材庫をあさりにいく。

手頃な木材を求めて。

「さぁ次は何を作ろうかなぁ‥‥ブランコとかいるよね‥‥ロープも持ってこよう」

ジュノに任せておけば素敵な憩いの公園が完成するであろう。

こうしてほんの10日ほどしか滞在しない予定の拠点を全力で楽しもうとするジュノであった。








挿絵(By みてみん)

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