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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第1章
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【第5話:海までいたりました】

ちょっと海がとおすぎました!調整しました。






「午後の作業は防御陣地の構築と、海から海水を組み上げる設備の建築」

お昼ごはんは時短で行けるものとヴェスタにお願いされ、船のインベントリに残った食料でサンドイッチを作ったアイカ。

片手に一つずつもったジュノとヴェスタが、立体表示された拠点周辺のマップをつんつんし合っている。

つんつんを二回すると決定される仕様だ。

AIのアイカからみると面倒な作業だが、人間が立体の座標を指定するのに最適化された仕様だ。

見た目はつんつんである。

「先に海水を引こうよ、防御は最悪明日でもいいし」

ジュノがつんつん。

「そうね‥‥エネルギー残量が思ったより伸びないし‥‥大気が影響してる?気圧は安定してるのにな?」

ヴェスタがつんつんからくぱっと指を開く。

グラフの表示を大きくするピンチアウトだ。

「海水がインベントリに引ければ一気に効率上がるよね‥‥おいしいな?!これ」

ジュノの表情が明るくなる。

2つ目のたまごサンドが気に入ったようだ。

「アイカおてせいの卵サンドですよ!」

近寄ってきたアイカの頭をよしよしするジュノ。

「アイカの料理はどれも美味しいわ‥‥いいお嫁さんになるわね」

「アイカは二人のものですよ?」

ついつい応答マニュアル通りに褒めたヴェスタに、ちょっとさみしそうにするアイカ。

ぎゅむっとだきしめるヴェスタ。

「アイカ‥もうはなさないわ」

「あははっ」

ジュノも笑って、アイカもにっこり笑顔にもどった。


午後の方針も決まったので、ジュノとヴェスタは船体の加工装置が出力する、強化木製のパイプと軽量コンクリートの基礎パーツをそれぞれ持ち、海を目指し水路を建設する。

まだ素材的にもサイズ的にも簡易のレベルを出ないものになる。

船体の取水口にアタッチメントを付け、直径10cm程度のパイプを組み立てていく。

曲がる部分は三種類ほど曲がったパーツを準備した。

直角と45度と30度だ。

30度以下の曲がりはパイプが若干たわんでくれるので、それでこなす。

基礎の高さは一定なので、できるだけ水路を曲げず導くため、何段か重ねて高さを替えられるの仕様だ。

そうして滑らかに地面と平行な水路が作られていく。

ジュノは基本的に運搬に回り、ヴェスタが建築する。

事前に立体マップで試作シュミレーション済みの、水路が二人の視界には水色で透過率高く描かれていた。

てきぱきと建築を進めるヴェスタと、ランニング中のようなジュノ。

ジュノは半袖タンクトップのように保護膜を減らしている。

ヴェスタもいつもの船内と変わらない薄着だ。

プロテクターやガーダーを付けると負荷が大きく、スーツの稼働時間を下げてしまうのだ。

保護膜も面積が小さい方が消費が少ない。

ヴェスタは裸でいいと朝から言ったが、ジュノに却下された。

運んでいる資材はどれも内部空洞を増やし、軽量かつ強度を落とさない設計だ。

ナノマシンによる構築は精度が高く、組み立ても差し込むだけと容易だ。

接続部分が内部でナノマシンによる融着接合をするので、内側は滑らかな水路になり抵抗も少ない。

ふんふーんと鼻歌まじりに走ってくるジュノがぱらぱらんとパイプを配置しながら置いていく。

もうヴェスタより大分海寄りまで運んだ。

「お~今日も青いな!海‥‥あれ?」

目を眇め片手日除けして観察するジュノ。

「なんか沖のほうで動いた気が‥‥」

昨日も偵察時に近くまで行ったが何も発見しなかった。

「まいっか?!」


全長300mにも及ぶ水路の材料を運び終えるジュノ。

100本ものパイプと、80個の基礎部品を運んだ。

「はぁ‥はぁ‥はぁ‥これ何キロカロリー消費した??」

製造ラインを操作して材料を出していたアイカに尋ねるジュノ。

「ジュノは体重軽いですからせいぜい400kcalくらいじゃないかな?お昼に食べた分は消費しましたね!」

「くぅん‥‥査定がきびしいよぉ」

「うふふ、ヴェスタを手伝いにいきましょう。わたしも土台くらいなら持ち上げれるかも?」

「アイカいい子ね!おぶって行ってあげる」

そういって背を向けるジュノにおぶさると、風のように駆け出すジュノ。

「おおお!はやいはやい!ジュノすご~い」

すっかり義体にひっぱられ幼女化がすすむアイカだった。

AIは義体の年齢に精神が影響されやすいのだった。

あっという間にヴェスタを見つけてとまるジュノ。

「運び終わったよヴェスタ。みんなで組み立てよう!」

「アイカも手伝うのです!」

ジュノとアイカの提案に喜ぶヴェスタ。

にっこり笑みになる。

「たすかるわ!頑張って暗くなる前にやっつけちゃいましょう」

そうして分担しながら組み立てて行って、日が傾く頃には組み上がった。

「かんせーい!」

「やったあ!」「やりました!」

パチンと互いにハイタッチの三人。

計算上今が最も潮が引いた状態で、パイプは海中まで伸ばせた。

三人で海水浴したような状態になった。

「べたべただよぉ‥‥シャワー浴びよう!」

「そうね、砂まみれだし一旦そうしましょ」

ジュノの提案にヴェスタも眉を下げ困った顔。

ぱんぱんと手で払ってもべたべたの海水で砂が落ちにくかった。

最後はすることが無くなったアイカは砂で城を構築していた。

体中が砂まみれで、頬にも砂がついている。

「すごい精密で芸術的なのだが‥‥」

「ほんとね‥‥写真撮っておこう」

ジュノもヴェスタも思いがけない完成度に驚く。

ちなみに写真は視覚情報からインプラントデバイスに保存できる。

「潮がみちればきえるうんめいなのです」

えっへんとするアイカはなんだか巨匠の風格。

あははとジュノとアイカが笑い、ヴェスタも微笑みを浮かべるのだった。




「ふあぁ‥‥さっぱりした」

「だからヴェスタ、裸はやめてよ!」

いつものやり取りに今日はアイカもまざる。

「アイカのスーツは内側だけ脱げるのです。ヴェスタもこうすればいいのです」

ぺろんとお腹までめくったアイカは、中だけ裸だった。

「おお‥‥なるほど‥‥そうゆうのいいね。んと‥‥こうかな?」

首に付けたスーツのリングからキャミソールのように保護膜をたらすヴェスタ。

普段は保護と断熱のために吸い付けている保護膜だが、ある程度思考制御で形を変えられる。

そうやって半ズボンやノースリーブにしているのだった。

調整して太ももが少し見える、白いベビードールのような姿になるヴェスタ。

ヴェスタの胸は重力に負けないので、つんと上向いていて綺麗なシルエットになった。

「ヴェスタはスタイルいいですね?」

アイカもぽーっとするほどの見事なスタイルだった。

ちょっと膨れるジュノは、二人に顔を見せないようにシャワーに行くのだった。

(ヴェスタの胸はずるいわ!)

また気にしてしまうジュノだった。





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