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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第5章
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【第47話:誰がためにいちゃいちゃする】

「個室の他にも寝られる場所が必要です」

ヴェスタは非常に真面目な顔で非情に告げた。

この島の木材はとても密度高くリグニンも豊富で素材として良好だ。

ゆえに木材べースの素材は余裕がある。

また、次の目的地にも同じ種類の木があるか分からないので、沢山本日伐採した。

クレーターの外側にも平らな土地が増えて防衛にも適していた。

まるで試験してくれるように、大量の狼たちが攻めてきて、その素材も集まりいろいろと素材面で余裕ができたのだ。

そこで、次の目的地では計画的に拠点を作ろう、何がいるかな?からの発言だった。

「個室も作るということですか?」

アイカは話し方までちょっと大人になってしまい、ジュノとヴェスタは残念そう。

「そう‥‥みんなでいちゃいちゃするベッドが必要だわ!」

ぐっと握りこぶしまで握り力説するヴェスタ。

「そうね‥‥狭い所で絡み合うのもいいけど。アイカも大きくなったし広々といちゃいちゃしたいね」

ジュノも真剣に検討している。

アイカはいらんやろと思うのだが、二人の真剣さに自分が間違っているのでわぁと心配になる。

「いちゃいちゃはジュノとヴェスタですればいいのではないですか?それなら個室を少し広くすれば‥‥」


『ダメよ!』


なんだか改行までして強調したダメだしをもらった気分のアイカ。

「アイカと三人でいちゃいちゃしたいのよ!」

ヴェスタの拳は天を突いた。

「そうね‥‥それこそがパラディソ‥‥約束の地だわ」

ジュノがいつになくしんみりしてうなずいている。

そうして新しい拠点の設計が進んでいった。

今日は試験飛行も順調に終わったので、わりと時間があったのだ。

その中で、あちらに持っていくと伐採をして、ついでのように襲撃してきた獣を狩って、今に至った。

「あ!そういえば‥‥あの小さい島に羊を忘れてきたわ!ヨーグルトにしたいの」

今日のヴェスタは主張が激しい。

両方拳になって口元にきて目に星マーク。

乙女な雰囲気だ。

「ヨーグルトは身体にもいいのよ」

うふっと言い切るヴェスタにジュノも追従。

「そうだね、マトンとラムも忘れてきた‥‥回収に行きたいね」

二人にとっては羊とは食材なようだった。

「羊毛も取れるなら、布地を精製できますね‥‥是非飼いたいです」

「そうね、是非解体ね」

「しぼりたいわ」

三人の意見が一致したので、飛行に問題がなければと条件付きだが寄り道も決まった。

本来重力制御まである霊子魔粒子並行励起のジュライックジェネレーター搭載の星系間航宙船である。

100㎞でも1000㎞でも誤差にもならないような移動距離だ。

「じゃあ明日は朝から発進シークエインスすすめて、午前中に飛びたいね」

「そうですね‥‥十分可能だと思います」

手順を思い浮かべてアイカも賛成。

「よし‥‥じゃあ早いとこ今日は休もう」

「そうね」

ジュノとヴェスタがおもむろにアイカの両腕を取り進む。

「え?ええと?」

「まずお風呂よ」

「そうだね‥‥いろいろと確認もしたい」

「え?ええ?わたしも行くんですか?」

アイカはとまどう。

「アイカを確認するのよ‥‥」

「決まってるでしょ?」

ヴェスタとジュノの目はもう真剣さしかない。

「えええ?!」


たっぷり確認された。

湯船にはいり顔を赤くしたアイカをやっと解放して、二人は身体を洗っている。

「いいわね‥‥」

「とても‥たのしみ」

きらんと光る目がアイカに向けられる。

ぞぞぞと悪寒を感じるアイカなのだが、ここにはアイカの味方はもう居ないのだった。

(あぁ‥‥あの二人にまた堪能されるのだ‥‥思う存分撫で回し嗅ぎまくるつもりだ‥‥)

逃れられない今夜の運命を悟ったアイカだった。

そして嫌がる素振りの割には、ちょっと幸せそうな微笑みが隠せていないのだった。




流石にアイカが大きくなったし、あの小さなベッドに三人はキツイだろうとなった。

ジュノが軽々とアイカのベッドを運んでジュノの部屋に並べた。

作業小屋の隣からわざわざ板材まで持ってきて、並べたベッドの上に置いた。

きれいにダブルサイズになったベッドに敷布団を並べ、完成だ。

そうして毛布にくるまり三人で仲良くして今はピロートークだ。

「でもさぁ‥‥どうやってあの男たちや原住民を操ったり、扇動したりするの?方法がわからない」

ヴェスタの提起。

「‥‥最初の被害者として言わせてもらえばね‥‥ちょっと普通では無かったと思う」

「ジュノ‥‥」

ぎゅうと抱きしめて、ちゅっちゅとするヴェスタ。

「あん、あんなのもう忘れたわ‥今はこんなに幸せなんだもん‥‥‥恐らく狂わされていた‥男として」

ヴェスタも思い出したのか考え込む。

「たしかに‥‥インターバルがやたら短いから、人数減らなくて大変だったわ‥‥」

ヴェスタの表現が生々しく、ジュノは悲しくなる。

「ヴェスタ‥‥」

ぎゅうっとしてちゅちゅちゅとするジュノ。

「あん、あんなの準備運動よ。今はジュノもアイカもいて、私も幸せだよ‥‥なんだか自然に笑えている気がする‥‥ありがとう二人とも」

アイカはこの二人に挟まれて両手を抑えられているので、動けない。

そして頭越しにちゅっちゅとされたり、アイカごとぎゅうと抱きしめるので、真っ赤になってしまう。

「あの温泉で倒した男達も‥‥やたら一部分が元気だった‥‥」

気持ち悪そうにするジュノ。

「そうね‥‥あの男達は明らかに異常だった。隣の男が吹き飛んでも進んでくるし、立てたままだった」

うんうんとジュノも同意。

「薬剤が‥‥一番ありえる?」

「そうですね、聞いた状況だと強力な麻薬か媚薬だと思います」

アイカも意見をだしてみた。

「‥‥アイカも大きくなったから、気をつけてね。貞操帯作ろうかしら?」

「うん‥‥保護スーツがちゃんと機能すれば貞操帯どころではないでしょ?」

「もう同じような被害は出ないと言えますね。保護スーツのバッテリーも強化しましたし。妨害していたAIも取り除きました」

保護スーツのバッテリー容量が倍くらいになったのだ。

アルミが手に入ったので、大分装備も良くなっていた。

「油断はしないけど‥‥少し安心要素はふえたよね」

ヴェスタも少し表情を柔らかくした。

「うん。もちろんわたしも気は抜かない。二人は私が守る」

ジュノは真剣な目で約束をする。

「では‥‥そろそろ寝ましょう。あすは早いです」

そういってアイカが率先して目を閉じてみせると、二人はもぞもぞとアイカを撫で回し、嗅ぎ回る作業に戻った。

「あうぅん‥‥まだするのぉ?」

「まだまだ足りないわ!」

「そう、早く寝たのだから長く堪能しなければ」

そうしてしばらくはまたいちゃいちゃする三人だった。

薄暗い部屋の中で、あたたかな温度と、甘い香り、くすくすと楽しそうな声を分け合いながら。






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