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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第3章
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【第22話:いつもとちょっと違う朝】

(あぁ‥‥もうこのままずっと寝ていたいわ‥‥)

ヴェスタは朝が弱いのだが、嫌いではない。

ふわふわした思考のままぼーっとしているのが気持ちいいのだ。

今朝は特別にすごくふわふわだった。ふわふわふわふわくらいだった。

左手のうえにジュノが寝ているのは最近多いので、ちょっと慣れた。

昨夜、なんか色々話している内に、裸になろうとなって今はふたりとも裸なのだ。

ヴェスタの右太ももがジュノのふとももに挟まれていて温かい。

ジュノの右太もももヴェスタに挟まれてしまっている。

同じ形で仲良しだなと想いまたうれしくなる。

そしていつも以上にジュノの香りに包まれていた。

ついついぎゅっと抱きしめてしまいそうになる。

あまり強いと起きてしまいそうなので、加減はしながらできるだけ近くにいく。

(ふにゃぁ‥‥しあわせだわぁ‥‥もうずっとこうしていたい)

「ん‥」

ジュノの可愛い吐息が耳元に漏れた。

ヴェスタが少し身動きしたので、起きてしまうのかもしれない。

ぼーっとしながらも、おきないといいなぁと考えるヴェスタ。

ジュノの小麦色のまぶたがひくひくっと動き、プラチナのまつ毛が揺れる。

ふと気づいてしまった。

(あぁ‥‥私はジュノが好きなのだわ‥‥)

ぼーっとした思考は制御ができず、勝手に盛り上がってしまう。

(うん‥愛しているのだわ‥‥今日結婚しましょう‥子供は二人がいいわ)

まだヴェスタのメインフレームは立ち上がらず、空回りでくるくると読み込み中の表示をだしていた。

(ジュノ‥‥私のことどうおもっているの?結婚してくれるかしら?)

外は朝日が昇ってきて急速に明るくなっていく。

瞳に光りが入り、強制的にヴェスタの思考が立ち上がった。

(ん?!!なんてぇーーっ?!)

自分の思考ログに脅威を覚えたヴェスタ。

(なななな‥‥なんてことかんがえてるの!!!)

ぷるぷると震えて、羞恥で足の爪先まで赤くなった幻視がみえるヴェスタ。

(か‥‥顔を洗う前の思考はノーカウントだわ‥‥寝ぼけていたのだから)

そうゆうことにしようと、決めたヴェスタは起きて顔を洗おうと身動きする。

色々と問題があった。

(これはジュノを起こさないと私も起きれないのでわ?)

脚もいろいろな部分も絡み合っていて、とても単独で脱出できない。

ジュノの腕もヴェスタの腰を抱きしめて放してくれない。

唯一自由に動かせる右手で、そっとジュノをゆするヴェスタ。

「ジュノ‥‥朝だよ‥‥」

できるだけ優しい声をと心がけてささやいた。

にこっと笑顔になるジュノもささやき返した。

「ゔぇすたぁ‥‥」

起きたのかな?とみるがにっこりのまますやすやしている。

アイカを見習ってスヌーズ機能を作動することにするヴェスタ。

「ジュノ、ジュノ。起きてください朝ですよ」

ゆさゆさしながら普通に話しかけてみたヴェスタ。

「うぅん、もうあと一声ぇ‥‥」

だれと値引き交渉しているのか知らないが、起きる気はないようだ。

「ジュノ!ジュノ!朝だからおきてええ!!」

ゆっさゆっさと動かしながら、全身でもアピールするヴェスタ。

手足を動かすといろいろと刺激が多く困ってしまう。

むぎゅうとジュノは頑張って抱きつき起きまいとする。

ふと思いついて心の声にしたがうヴェスタ。

「ジュノ‥‥起きないとキスしますよ」

ジュノの唇がちゅうと言う形になる。

ヴェスタの目が半眼になり、声の温度が下がった。

「ジュノ起きてますね?」

びくぅと反応するジュノ。

「‥‥もう起きてくれないと困るよ‥防護スーツもだすからね」

思考操作でしゅると膜を全身に回すヴェスタ。

ジュノもパチと目を開けた。

「おはよぉヴェスタ‥‥」

しゅるとジュノも膜を回し、白いスーツ姿になる。

もぞもぞともう遠慮しなくていいなとヴェスタがテントを出ていく。

ジュノは寂しそうにするが、引き止めはしない。

「くぅ~ん‥‥」

捨てられる子犬のような声をだすジュノ。

後ろ髪引かれながらも、昨日出したテーブルにセットされた水タンクで濡らしたタオルで顔を拭く。

(ふぅ‥‥あぶないところでした‥‥危うく心のままにジュノを蹂躙するところでした)

顔を拭き終わると、またスーツを仕舞い、身体も拭いていく。

(よし!切り替えよう。今日も頑張って‥‥‥‥夜になったら少しだけジュノに甘えよう)

キリッとしたヴェスタはそんなことを志していたのだった。

輝く朝日に向かって。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

もぞもぞとテントから這い出てくるジュノ。

「うぅ~ん‥‥ジュノおきれなぁ~い。ヴェスタだっこぉ」

ころんとテントの前で仰向けになり手を伸ばしてくるジュノ。

「ジュノ‥‥明るいうちは頑張りましょう‥‥ずっと待っているアイカが可愛そうだわ」

心を鬼にして言うヴェスタだった。

「クスン‥‥ヴェスタぁだっこしてくれたらおきるからぁ」

どうあっても甘えるジュノに困ってしまうヴェスタ。

そっと顔の上にしゃがむ。

じっとジュノは見上げてくる。

「ジュノ、私もジュノに甘えたいけど‥‥我慢しているのよ?起きてほしいな」

「ヴェスタぁあ!うれしい‥‥ガンバルう!」

ひょいっと起き上がるジュノ。

相変わらず体重を感じさせない動きだった。

すんと立ち上がるヴェスタにぎゅっと抱きつくジュノ。

「じゃあ‥‥暗くなったら甘えていいの?」

くりっと上目遣いのジュノ。

「もちろん、私もいっぱい甘えますよ」

微笑んだヴェスタはとても自然な笑みで、ジュノもにっこり笑ってしまう。

((この笑顔のためにがんばろう))

同じことを心に刻む二人だった。

朝の清々しさがやっと二人にも届いたのだった。





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