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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第13章
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【第124話:あそびにいきましょ!】

採掘作業が全て自動化できた。

マクラが4機になり、アイカも慣れてしまったので負担は最小だ。

採掘→仕分け→精錬→格納までの流れが自動化できたので、人間の仕事が一気に減ったのだ。

「遊びに行きたい!」

ジュノは遊びたいと主張する。

「本が欲しいのです!現地で研究された論文とかあればもっと良いです!」

アイカは本屋さん?に行きたい。

「3人一緒ならいいよ!」

ヴェスタは単独行動にならないなら良いと思った。

そうして遠征することとなる。

目的地はアヤンタ王国の首都マヤカランだ。

本当は人口の多い西側の国、ヴァルサール帝国の首都アズラントに行きたいねと話し合ったが、今回は近場でと決まった。

ここの所ずっと人里を離れ、サバイバルな生活を続けてきたので、文明が恋しいとの思いもあった。

人混みが恋しいのだ。

近場とは言え今の拠点から片道2300kmほどあり、往復だと4600kmとなる。

これはVTORL機に増槽を積んで、ペイロードを絞りギリギリの距離。

そこで北にある大きな大陸にも拠点を作ろうということになった。

設備としてはバイオ燃料が生産できればいいので、それほど大掛かりにはならない予定だ。

そうして候補地を皆で話し合う。

「ゆくゆくは帝国まで行けるようにしたいし、ここいらが良いんじゃない?」

ジュノの意見では、アヤンタ王国のさらに北にそびえる山脈の中が良いという。

片道3000km程とマヤカランよりも遠いのだが、帝国までぎりぎり届く距離だ。

ゆくゆくは帝国側にも同じ仮拠点を作れば、首都アズラントにも4度の補給で往復できる位置だ。

「なるほど‥帝国まで行くと考えたらそれもありです」

アイカも賛成する。

「そうすると‥帝国側の補給基地はこのあたりになるわね」

ヴェスタがさらにマップに記しを入れていく。

「まあ予定ということだけど。今回の補給基地はジュノの提案でいいわ」

ヴェスタがそう言って、ジュノに賛成と言った。

「ここ、マヤカランから市街地が伸びていってるから、道があるんじゃないかな?‥‥そうするとこの辺りに下りて、街に向かえば良いんじゃない?」

ジュノが地図にさらに予定を書き込んでいく。

この地図はみんなが参照できるものなので、後から確認するのに便利だった。

「良いんじゃないでしょうか?」

アイカもジュノもヴェスタを見る。

「おっけえ!その予定で行きましょう!今日はじゃあ準備して、明日の朝出発しましょう」

『はーい』

こうしてアヤンタ旅行の予定と、補給基地設置の予定が出来上がった。

予定が決まると恐ろしく手際よくすすむのがこのチームの強みだった。

るんるんと働くのだった。


ティア7を目指す中で、素材に余裕すらできてきた。

チタンがそれなりにとれたのが大きく、ティア6装備を少し追加した。

まずヴェスタの外装をティア6にして、これで全員空を飛べるようになる。

予定していたように、ヴェスタの外装は防御メインで、肩のハードポイントはアイカと同じ自動防御付きアーマーになる。

メインウエポンとして、初めて面制圧装備を作る。

4連装の電磁モーターカノンを手持ちで扱えるようにパックしたものが出来上がる。

弾倉はベルト給弾と迷ったが、取り回しの良さでドラムマガジンとなった。

ちゃんとモックで模型を作り、ヴェスタに持たせてみた。

慣れないとベルト給弾は照準がかなり危ういので、最悪フレンドリファイヤ (同士討ち)がありうるとドラムマガジンとなった。

ドラムマガジンは厚さ5cm程度、直径が30cmほどの円盤で、一つのマガジンに400発程給弾できる。

アイカが設計したこの手持ちモーターカノンは『カノンポット』と呼称されることとなった。

カノンポットは一分間に2000発程度の射撃が可能なので、400発は20秒もあれば撃ち終わる計算だ。

銃身も短く、バレル長も抑えられ集弾は悪いが、もともと狙う武器ではなくエリアを抑える武器だ。

全長も50cm程と抑えられて、重量はあるが取り回しも良い。

この武器でヴェスタがする仕事は、エリアを制限しキルゾーンに誘うこと。

ジュノやアイカが攻撃しやすくするサポートだ。

もう一つ遅延戦闘や後退戦術でもエリア制圧に活かせる。

簡単にいうとヴェスタにできる仕事を割り振った感じだ。

そしてヴェスタの外装にも魔法耐性装備となり、これでチーム全員が魔法に強くなった。

アイカの式神も4号機までロールアウト。

遂にアイちゃんズがカルテットになり、アイカの戦闘力・偵察能力はさらに高くなる。

片側2本の式神を両肩に装備。

それぞれ01-04とNoがふられ、同じ番号のアイの乗機となる。

アイ達の義体はアイカの腰に新たに装備された外装に収まり、腰の左右に釣られる。

ジュノは装備に更新ないが、もともと優先して充実させてあった。

VTOL機の増槽は下部カーゴベイに収納した。

緊急時にはベイをあけてパージも可能で、これにより巡航1.2マッハ( 時速1350km/h程度)で4600kmを航続する。




海上を高度8000mで飛ぶVTOL機。

音速で飛ぶこの機でも目的地まで、3000km弱あり2時間以上のフライトとなる予定だ。

この機内は気密もとれており、エンジンも後端にあるため割と静かなのだが、ずっと賑やかに2時間を過ごしてきた。

いつかのキャンプファイヤーのように、アイカとアイ達の歌か始まり、ジュノも歌いヴェスタも一緒に声を出しリズムを取った。

アイカのアーカイブには数万曲の音楽データがあり、あらゆるジャンルを網羅している。

これまでで最もAIらしい活躍と言えただろう。

そうして楽しく遠足気分のまま海を越えた。

「みて!陸が見えてきた!」

めずらしく興奮したヴェスタの声。

「おお!でっかい山だな?!」

ジュノもテンションが高い。

「ラウメンの大陸より広い面積に広がる複数あわさる山脈ですね。まちがいなくこの星の最高峰で14000mを越える部分もあるようです」

アイカは冷静な声だが、説明が早口なので興奮を隠せていない。

「せ~の」

『新大陸だ!』

にこにこのジュノの音頭で7人の声が揃う。

ぴょんとアイ達はジャンプまでして万歳だ。

あはははと笑い声も広がり、眼下には海岸線にそうように市街地も見えていた。

拡張マップと視界を見比べたヴェスタが、大陸のスケールに息をのむ。

「でかいね‥これは」

その眼の輝きには、隠しきれないわくわくが有るのだった。






挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)

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