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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第12章
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【第119話:もう、戦いはやめてぇ(物理)】

VTOL機がなかなか文字で説明難しいので描いてみました!





「監視衛星がほしいわ!」

ジュノが痛切になげく。

VTOL機を緊急発進並に発進させてきた。

「あ‥‥コンロ止めたかしら?」

「止めたよ!ママ」

アイカが心配になったが、アイ02がちゃんと確認していてくれた。

ちょうどヴェスタのスープを温めていたのだ。

寝間着のままのんびりと朝ごはんを食べていたのだ。

最後に起き出してきたヴェスタはまだ食パンを咥えていて、もっさもさの髪をアイ01が全身で梳かしていた。

リベリング降下の要領でヴェスタの頭を梳かしながら下りている。

「ふぐむぐう、むっふぅ!」

「ヴェスタは食べてからね!」

うんうんとしながらも、もぐもぐして操縦するヴェスタに、スーツの外装を装備しながらジュノがいう。

アイカも外装の装備をアイ02に手伝ってもらっている。

元々今日のお昼に様子を見に行くつもりでいた。

アイカの式神は先日の捕虜解放後は引き上げていたので、本日改めて朝一番で偵察に出したのだ。

シャラハ将軍は思った以上に優秀だったようで、式神が現着した時にはヴァルサール帝国の艦隊はすでにアズラミールの沖合に集結し、出港準備が整っていた。

ここまでは良かったのだが、岬を回り南下するため東進し始めた所、北からアヤンタ王国の艦隊が攻め込んできた。

ここまで確認した時点でスクランブルとなった。

ヴェスタはぼーっとしたままスポンと寝間着を脱がされ、リングの保護膜をジュノに発動してもらい、口にはアイカが食パンをつっこみ、VTOL機に押し込まれた。

幸い食パンを咥えたヴェスタが、角で誰かとぶつかり恋に落ちることもなく、すばやく発進となった。

操縦桿を握らせるとヴェスタは素早く覚醒する。

緊急起動してくれるのだ。




「アイカ、どうなったの?」

ヴェスタがやっとパンを食べ終わり、ジュノがくんでくれた水を飲んで聞く。

「ひと当たりされて、何隻か沈みましたが反撃せず南下したようです」

上空で偵察中の式神から映像をもらうアイカは一足先に戦場を俯瞰していた。

「どうするヴェスタ?とめるの?帝国に味方する?」

考え込むヴェスタ。

この速度ならあと数分で現場上空だ。

ゆっくりと話し合っている場合ではないとヴェスタは判断する。

「アイカ、二艦隊はもう混戦になっているの?」

「そうですね‥‥アヤンタ艦隊が帝国の艦隊に食い込む形で先端が混じり合っています」

「帝国は反撃していないのね?」

「そうですね、戦闘艦を優先して南に逃がし、今は輸送艦を襲われているところです」

またちょっとだけ考えるヴェスタ。

現在高度は2000mで、もうまもなく戦場が目視できる距離となる。

「アヤンタ艦隊を一隻沈めて警告します‥‥ジュノとアイカは降りる準備を」

「了解!」「ラジャです!」

装備を終えた二人は後部荷室に行く。

アイ01がコパイ席にアイ02がエンジニア席に着く。

アイ03と04の義体もエンジニア席に寝ている。

中身は式神で出撃中だ。

「見えた!」

式神の偵察して得た戦場の情報もヴェスタの視界にAR(拡張現実表示)表示された。

レーダーにも敵味方が赤と青で表示される。

AWACSのように機能する式神の高性能なレーダー能力だ。

機体とヴェスタだけではなく、今から降りる二人の視界にも表示が出ているはずだ。

「こいつにする!」

赤い縁取りがされた敵艦の中で最大の大きさの船をヴェスタがロックオンする。

大型のカナード翼の直下、機体下部左右に武器ベイが開き80mm滑空電磁砲が一門づつ展開される。

ベイから降ろされた本体からシャキンと銃身が前に伸長される。

見た目の派手を狙うので、弾頭は榴弾だ。

ヴェスタは先日一度試射していて威力を把握している。

(直撃したら爆散する‥‥)

「‥‥くっ」

発射の直前になり、ヴェスタは照準のロックを外す。

直後にトリガーを引くと右の砲が発射され、直後に左も射撃した。

どどん!

すばばあぁぁぁぁん!!

目標にした巨大な帆船の進路上に、マストの高さを越える巨大な爆炎と水柱が上がる。

0.5秒で2発着弾したが同時に爆発したように見えただろう。

キィィィイイィィィン!ごうごうごう!

爆炎の上空50m程の低空をヴェスタは音速のままフライバイする。

榴弾の着弾と、音速で低空を抜けたVTOLのソニックブームだけで、4隻ほどの小型船がひっくり返り、目標の大型艦は燃え上がる炎の中をくぐっただけで、火災をあちこち発生させ騒然と成った。

VTOL機を知っている帝国の艦隊は「たすかった!」と歓声を上げて歓迎した。

知らないアヤンタ艦隊は大混乱になり、足を止める。

アヤンタ艦隊の旗艦だったその大型船に旋回しながら減速したVTOL機が戻って来る。

ボヤ騒ぎであちこち大騒ぎする中で、アイカとジュノが降下してきた。

ズン!すたっ

ジュノは相変わらず減速を最低限で来たが、ちゃんと学んでいて踏み抜くこと無くとどまった。

アイカは華麗に降り立つ。

「偉いやつ!でてこい!!」

ジュノが拡声機能で大声を出す。

「早く出てこないと沈めますよ!」

ずぱぁん!ずぱああぁん!

アイカもつづいて叫び、直後に護衛に回した式神一機から雷魔法を連射してマストを2本へし折った。

しゅぅぅんと、式神はアイカの上空を旋回する。

もう一機は戦場俯瞰のために高度12000mをゆっくり旋回していた。

わたわたと出てきた豪華な衣装の白い男がわめく。

「わかった!降参する!命だけわぁあ!」

勝手にひれ伏したので、頭をふんだほうがいいのかな?とアイカが足を上げ踏みに行きそうになり、ジュノに止められる。

「アイカ容赦ないなwもう降参したんだからいいのよ」

「そうですか‥‥ふみっとした方がよくないです?」

アイカはアルミ合金製の硬いブーツを持ち上げて残念そうにする。

横長一文字の赤いセンサーアイもちょっと残念そう。

くすくすと頭の上で笑いあう破壊神達に怯える男は、聞かれると艦隊の提督と名乗った。

アイカとジュノが膝まずくと、式神01が先日シャラハ達に見せたヴェスタのホロ映像VTRをきりはりして上手に脅した。

黄金の光につつまれ降臨した女神様の使徒ヴェスタは、名乗った上で200海里戦闘禁止と、破ったら船を沈めるむねだけ伝えた。

そうして手を組み目を閉じるとすうっと上昇し宙にとけて光とともに消える。

完璧な演出に、ひれふした男はうんうんと涙を流しずっと首を振っているので、もういいのかなとジュノもアイカもパルスジェットを盛大に吹き散らし帰投した。

ジェットに吹き飛ばされた艦隊の提督が、ころころところがって壁にぶつかった頃には、上空にホバリングしたVTOL機の下部ベイから機内に戻っていた。

こうして2国の艦隊は戦闘を禁じられ、それぞれ国に帰るようにとヴェスタ達に脅されるのであった。

神々しく降り立つ女神の使徒ヴェスタによって。





挿絵(By みてみん)

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