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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第10章
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【第98話:ひみつの作戦開始】

「とりあえず少数‥‥一人でも良いわ救出しましょう。捉えられている人を救い出せば協力的に情報を貰えるんじゃないかな?」

ヴェスタの提案だ。

ジュノもアイカも賛成という。

さらにジュノは提案。

「合せて‥‥こちらも一人でいいので兵士も捉えて来たい。尋問するわ‥‥」

アイカが賛同。

「なるほど‥‥色々と得るところが多いです。情報を隠されたとしても隠したことが情報になる。双方の話しを聞けるのは2倍以上の情報となります」

アイカもヴェスタに目を向ける。

「でも‥‥」

ヴェスタは少し嫌そうにする。

「‥‥情報を得たら解放してもいいように、こちらの情報は与えないようにする。これでどう?」

ジュノはまさに心配したことを言い当てる。

情報は渡したくないし、尋問後に殺すのは嫌だなとヴェスタはおもったのだ。

「‥‥わかった。どちらが簡単なの?」

ヴェスタにはジュノが答える。

「兵士のほうが遥かに簡単だよ。見つからずに救出するほうが難しい」

「そうですね‥救出した事実は隠せないでしょうから、作戦全体の速度が求められます」

アイカの意見ももっともだった。

捕虜が逃げたとなれば警戒レベルや武装度が上がり、兵士を捕えにくくなる。

「ジュノ‥‥お願い計画を‥‥」

こうして具体的な作戦に落とし込んでいった。




先ずは暗闇に乗じて倉庫街を高空からVTOLで偵察。

機体は作戦に合せて着陸地点を変え街の北西に下ろした。

撤退方向が恐らくこちらと話し合ったからだ。

深い森の中で、付近に人気もない所で都合が良かった。

街とも標高差もあまりなく逃げてきやすいねとジュノも賛成した。

街までは直線距離で60kmほどある。

ジュノとアイカが本気を出せば10分かからない距離だ。

捕虜を抱えてくるので本気では来れないだろうが。

今回もヴェスタはお留守番で、発進準備のまま待機。

万が一の際はVTOL機ごと応援に行く。

武装はないがびびるだろうとその予定だ。

街は港の側に市街地が広がる普通の港町だ。

付近の農地でとれたものを船で運び出していた。

今は沖合に6隻、港内に4隻の軍艦が居る。

中型の帆船で、100mm口径程度の大砲を何門か左右に積んでいる。

先日砲撃していたものだろう。

「一隻くらい沈めとくと騒ぎになっていいけどな?」

「ジュノ過激だわぁ‥‥もしかしたら仲良くするかもと考えて」

ジュノの意見にヴェスタがブレーキ。

「そっかぁ‥‥ちょうど倉庫街と反対に意識が行くし‥‥火を放つくらいならいいんじゃない?」

そういった作戦になった。

「良いと思います!ジュノさすがです!」

火付けはアイカが式神ですぐだと言うので任せた。

「じゃあ気をつけてね‥‥通信切れたら突貫するからね!」

ヴェスタは淋しそうに見送って、二人を送り出す。

(おねがい‥‥怪我しないでもどってね二人とも)

そう手を組んで祈るヴェスタだった。




人間を2名運ぶので、丈夫な袋を準備した。

2m程の長さで、人間が收まる大きさだ。

これに突っ込んで飛ぶ予定であった。

袋はジュノとアイカが一枚づつもった。

可愛そうだが、救い出した者にも情報を与えられないので、スタンガンで気絶してもらう。

ジュノのスーツにはその機能があり、アイカは魔法で同じようなことが出来る。

シンプルにアイカが火を付けて、騒ぎになったら話しを出来そうな人をジュノがさらう。

アイカもジュノの成功をもって、沖合の船を襲い責任者っぽい人をさらう。

アイカの作業は運搬以外は式神で出来る。

ヴェスタは嫌がったが、同時進行が好ましい作戦なので、二人で説得した。

『通信は切らないから、まっててねヴェスタ』

『うん‥』

ジュノの声を聞いてもヴェスタは心配そうだ。

『では火の手を合図にしますね。ジュノ』

『りょうかい』

二手に別れたジュノはまた建物の上を移動し、倉庫街に侵入。

手頃な獲物を探すジュノ。

『トイレが奥にあるみたい‥‥そこが都合いいかな‥‥人目もないし』

ジュノのセリフはもう犯罪者のそれだ。

『そうね‥‥誰か入ったらアイカに始めてもらえば良いね』

『了解です!ジュノがタイミング決めて』

『はいな』

そうして綿密な夜間救出拉致作戦がふわっとはじまった。


誰にも見咎められず女子トイレの個室に潜伏するジュノ。

するりと暗闇の中、大型の外装をぶつけることもなく侵入した。

武装を絞ってきたが、ジュノの体積は倍くらいになっている。

元が細いので、それでもトイレの個室におさまった。

ハイディング用のカメラを手に持って個室の上から外をピーピングするジュノ。

『‥‥誰もこないな‥‥こまった』

『ジュノしずかに‥‥もう作戦中だよ』

ヴェスタに怒られるジュノ。

『はぁい』

『アイカチーム配置完了‥‥何時でもいけます』

『りょうかい』

アイカは南側の海上から仕掛ける。

事後も南に逃げて、捜索の混乱を狙う予定だ。

泳いで海から来て、同じ様に泳いで逃げたと見せる。

懸念は魔法を使うAIなのだが、ジュノの装備は対魔法戦仕様だし、アイカは魔法で対抗できる。

先日の黒アイカの時のような無様はさらさないと、ジュノもアイカも燃えている。

(来た‥‥)

ジュノは気配を完全に絶ち、潜伏した。

トイレの照明が点けられて人影が入ってくる。

(‥‥少し若いけど大人だしいいかな?‥‥うん後続もいない)

『GO』

『らじゃ』

ジュノは2つ先の個室に女性が入ったところで開始のサイン。

きいとも言わせずドアを開けた。

先にスプレー式のグリスを吹いてある周到さ。

何時でも誘拐犯に転職できるスキルだ。

そうしてスタンガンを準備して、万一顔を見られないように、スカーフで顔を隠す姿はどう見ても悪人であった。

ぽおっと窓の外がオレンジに染まる。

(よし始まったな)

できれば可哀想だから出てきてから拉致したいとジュノは考えていた。

自分が拉致されるならそうであって欲しいと思ったから。

パンツくらいは履かせろと思うだろうなと配慮したのだ。

ガヤガヤと倉庫内が騒がしくなった。

ピピーと笛もなって怒鳴り声もするので、予想通り騒ぎになってくれた。

じゃばーと水音がして、女性が出てくる。

ドアの裏に潜んだジュノは女性がドアを閉めた瞬間に背後から口を塞ぎ、スタンガンを当てた。

ぱちん

くてっとなった身体を担いで、するりとまた侵入ルートを逆戻る。

表の方が騒ぎになっていたので、誰にも見咎められなかった。










挿絵(By みてみん)





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