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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第9章
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【第84話:ティア6を目指して】

先日の哨戒偵察で拠点に一番近い街が燃やされるのを見たので、ちょっと心配になったヴェスタ達は拠点を防衛することとした。

出していなかった監視カメラと簡易センサー郡をばら撒き、哨戒線とする。

またパッシブだけだが、アイカの設計で重力波と霊子波の全周レーダーを供えた。

これは周囲に強力な重力波や霊子波が起こると検知して警報を鳴らすように作った。

ログを確認すれば何処で起こったかも見ることが出来て、周囲100㎞程度まで強い波なら捕える。

宇宙船クラスならこの距離で捕えるのだ。

個人兵装ならば10㎞程度で捉えられるのを、ジュノを飛ばして確認済みだ。

ジュノ達の外付けアタッチメントは起動していると探知できる。

同様かそれ以上のティアの保護スーツならば同じ様に捉えるだろうと一安心だ。

実はこういった哨戒装置はスパイラルアークにもっと高性能のものが搭載されているのだが、格納室のハッチや、空間拡張機能と一緒で全く警報を鳴らさない。

いくら調べても原因のわからないこの不具合はいまだ解決できずにいた。

「いいです!順調ですよ。もうすぐティア6に届きそうです」

アイカが珍しく興奮気味に言ってくる。

マクラたちが今朝ほどプラチナの鉱脈を当てて、ナノマシンにご馳走したのだ。

おかげでネックだったNPがぐんと進んだ。

今はお昼ご飯の時間だ。

最近はよほどのことがなければ、ご飯の時間は全員そろう。

ヴェスタはそれがとても嬉しいので、いつもよりニコニコ度が高い。

ジュノもアイカも最近はヴェスタのそういった微笑みをとても多く見れて嬉しかった。

アイ達も仕事がなければ一緒にごはんだ。

アイカの話には続きがあった。

「一つだけクリアする必要がある仕事があります」

ふんふんと二人は聞きに入る。

「アルミ以外は足りたのです。北の山脈に大量にアルミがあると解っているので、出張してほしいのです」

ヴェスタがすぐ手をあげて発言。

「みんなで行こう!」

ジュノもアイカもにっこりとする。

「そうだね。母船はカモフラージュして、水上機で行こうよ」

「それが良いですね。量子キーでロックしていけば、内部は触れないです。外回りはぱっくり閉じますのでアークは、置いていきましょう」

ジュノもアイカもヴェスタの発言の意味を知っているので、出来うる限り叶えてあげたいと思っている。

「それにマクラ達は引き続き作業させるので、アイカの意識は割とここに残せます」

おおと二人は驚く。

「マクラ経由で端末を操作すれば、何千km離れていてもラグ無しで操作出来ます」

よしよしと二人に撫でられるアイカ。

てれてれと赤くなるのが可愛ので、さらにむぎゅっとされる事となる。




「そうかぁ、やっぱり最初はジェット内蔵の外付け装備が欲しいな。今は一組しか無いから」

ジュノの意見は順当と思い、二人も賛成だ。

「ジュノのティア6を作ってアイカ。私はティア5のでまだいいから」

「そうですね‥‥ジュノにティア6を着せればちょっと安心出来ますね。こないだの黒アイカに負けないでしょう。魔法に対するシールドも付与できますし」

「もちろん!ティア6なら音速越えるし‥‥武装も出力上がるでしょ?」

ジュノは真剣な顔でアイカに訊ねる。

「ですです、単純に電力供給も、銃身の強度も上がります。新武装も考えています」

アイカは最近ティア6の設計をどんどん進めていて、言わないが恐らく義体もティア6を設計済みと思われる。

「すぐに作れる量はどれくらいなの?ジュノの装備は全部作れそう?」

ヴェスタはジュノの武装を最優先と思うが、アイカの義体も更新してあげたい。

「そうですね‥‥もしチタンの鉱脈が見つかれば、だいぶ楽になります」

アイカはちょっと困った眉。

「実はチタンはほとんど今まで採掘出来ていないので、ジュノの装備はNPで補填します。それ以降は効率を考えるとチタンが入ってからですね」

「なるほど‥‥確か北にはチタンの可能性ポイントあるのよね?それも今回ので調査したら良いんじゃない?多少時間がかかっても必要と思うわ」

アイカの意見にヴェスタが答えを出す。

「さんせー」

ジュノも即答の賛成だ。

「もちろん良いと思います!アイカも行くので調査はおまかせを」

そうして方針が決まれば、今日の午後の仕事も決まっていき、ヴェスタがどんどん指示を出した。

「ヴェスタ何泊で行こうかな?」

調査発掘行の持ち込み資材を担当するジュノの質問。

ちょっと考えるヴェスタ。

「余裕をもって3泊と思いましょう。多分2泊で足りると思うけど」

OKサインのジュノは早速作業にかかった。

アイカはマクラ達の指示と準備に地下に降りる。

ヴェスタは機体のチェックだ。

「アイ01ちゃん手伝ってくれる?」

「はいです!」

「わたしも手があいてるよ!」

アイ02も挙手する。

「うん、ありがとうアイ02ちゃんはアイカを手伝ってあげてね」

「はーい」

そうしてアイ達にも指示をだすと、アイ01を肩にのせて滑走路を目指した。

ちなみにアイ03はアークの担当。

アイ04はジュノを手伝っている。

「じゃあ最初は操舵関係のチェック行くね、垂直尾翼と水平尾翼をお願い」

そういって機体の屋根にアイ01を乗せるヴェスタ。

「うん、見てくるね!」

アイ01はててててと機体の屋根を走っていく。

全長8m程度の機体だが、アイ01にとっては中距離走程度の負荷だ。

にこっと見送って、ヴェスタは操縦席に付く。

1分程度経つとアイ01から連絡が来た。

『ついたよ!』

『はい、ありがとう。遠かったかな?』

『平気だよ。ラダーからいいよぉ』

そうしてアイ01とヴェスタで各部の搭乗前チェックを行った。

合せて整備が必要な部分を洗い出し、明日出発する前にメンテナンスを実施する予定だ。


ジュノはアークの格納室と加工設備を行き来して、食料や資材を揃えていく。

「じゃあアイちゃんは記録だけお願いね」

「おまかせえ!」

アイシリーズはさすがAIで記憶力がとてもいい。

20桁くらいの数字をいくつも一辺に覚えられたりする。

少なくともジュノのドンブリ勘定より数倍良い。

「よっし、じゃあ食料から行くね、3✕12だから‥えと‥」

「36食だよ!」

即答で計算もしてくれるアイ04だった。

「う‥うんありがとう」

ちょっと恥ずかしくて頬が赤くなるジュノだった。

(アイちゃんどんどん優秀になるわ!)

そこはあまり優秀さを発揮していない部分に関心するジュノだった。

アイ04は計算したつもりもなかった。



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