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【ヘリカルスパイラル】  作者: Dizzy
第1部 第8章
100/453

【航海日誌4】

「あぁ‥‥またやってしまったわ‥‥」

引っ越しの片付けをして、自分の部屋の荷物も整理しはじめたヴェスタ。

また段ボール箱の底から航海日誌を見つけてしまう。

二度と発見しないようにと、厳重に底の底に封じたそれを、これなんだろと取り出してしまった。

(なぜ‥‥嬉々として取り出した‥‥)

なんだかあまり見たこと無い端末だ、なんだこれ?美味しいのかな?などと取り出した5分前の自分に殺意すらいだくヴェスタ。

「くっ‥‥見てしまった以上は書かなくてはいけないわ」

基本的にヴェスタは真面目で融通が効かなかった。

てきとうに忘れるくせに、ちゃんと指定されたマニュアルに逆らう度胸はない。

「私はキャプテンなのだわ。責任者なの」

キリっとして過去の日誌を参考までにと開く。



Ship’s Log ’527/1/29

Location: Planet Alduna/Lemuria Sector

Status: Tear4

日誌を書くの忘れていました。ごめんなさい。

色々と問題があり記録を残せませんでした。

最近アイカがちょっと大きくなり、とても可愛くなりました。

大好きな妹なのです。

長い旅をしてきたのでとても疲れました。

明日からがんばろうと思います。



「これはひどい‥‥」

自分で書いておいて、酷評するヴェスタ。

しかもその前を見てさらなる怒りに震える。

「なっ‥‥しかもこれコピペじゃない!航海日誌を何だと思っているの!!」

過去それを記した自分に怒りを覚える正義感の強いヴェスタ。

「‥‥ここは睡眠時間をけずってでもきちんと書いておきましょう」

志高く書き始めるヴェスタ。



Ship’s Log ’527/2/18

Location: Planet Alduna/Lemuria Sector

Status: Tear5


「ちょっとまって‥‥20日も書いてなかったの?!」

そこでまず絶望を覚えるヴェスタ。

まるで夏休み最終日の夜に宿題を色々思い出す小学生のように震えた。

「だめだわ‥これからはちゃんと毎日書こう‥日誌なのだから‥‥‥‥それで赦してもらおう」


Ship’s Log ’527/2/18

Location: Planet Alduna/Lemuria Sector

Status: Tear5

今日は引っ越しました。

とても疲れました。


そこまで書いたところでノックが2度なる。

コンコン

今夜はアイカがスパイラルアークでこしょこしょと内職(設計)しているので、拠点には自分とジュノしかいない。

「いいよお」

返事をするとカチャとドアが開いてジュノが顔だけ出す。

ちょっとほっぺが赤くなって可愛らしい。

「ヴェスタぁ‥どうして、いちゃいちゃルームやめちゃうの?‥‥じゅのなんだかさみしいなぁ‥チラ」

恥ずかしそうにそう言われると、提案したヴェスタとしては辛い。

「し‥‥仕方ないでしょ?アイカに節約しようと言ったら要らないと言われたのだから‥‥かわりにジュノの部屋は大きいベッドにしたでしょ?」

寝室が多すぎるとアイカに怒られたのだった。

たしかに結果ヴェスタもジュノも個室を全く使わないという事態になった。

毎日いちゃいちゃしたので仕方ないのだった。

唯一アイカだけが時々個室を使うというルーティンができあがり、3人しかいないのにベッドが4つもおかしいまで言われては、反論出来なかった。

今回の拠点は個室を大きく取ったので、ダブルベッドを入れても問題ない個室になった。

一つだけあったそれはジュノの部屋に設置したのだった。

「大きいベッドに一人はさみしいなぁ‥‥‥‥チラ」

ヴェスタが答えないので、ジュノの甘えん坊レベルが上がる。

「もうぅ‥‥すぐいくから、待ってて」

「わぁいヴェスタ大好き!」

パタンとととっとジュノが走り去った。

今頃ベッドで薄着で待っていることだろう。

「く‥‥しかたないわ、明日から真面目に書きましょう。今日は引っ越し初日だし船員のケアも必要だわキャプテンとして!!そうだわ必要なのよ!」


Ship’s Log ’527/2/18

Location: Planet Alduna/Lemuria Sector

Status: Tear5

今日は引っ越しました。

とても疲れました。

じゃあまた明日。

おやすみなさい。


つつんと決定を押しぱたんと端末を閉じる。

明日すぐ書けるようにと、机に設置する。

「うん、これでいいわ!‥‥じゅのぉぉおお!!」

パタンとととっとヴェスタも走り去った。


そうして次の引っ越しまで、ヴェスタがこの部屋に戻ることは無いのだった。

もう意識的に避けているのかというレベルで一度もこなかった。




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