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【完結】ヒミツの放課後ホラー ~新米教師と、呪われた七不思議~  作者: ましろゆきな
エンディング

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高遠響エンディング:図書室にて

「桜井先生、この本、探していただろう?」


 放課後、図書館で本を探している結衣に、高遠が声をかけた。彼は手に持っていた一冊の本を結衣に差し出す。


「高遠先生、ありがとうございます!」


 結衣は驚きと感謝で、高遠から本を受け取った。彼はいつものように淡々としているが、その瞳にはどこか穏やかな光が宿っている。


「実習ももうすぐ終わりだな」


「そうですね。いろいろとお世話になりました」


 結衣はそう言って頭を下げた。高遠は静かに首を振る。


「まだ礼を言うには早いだろう。――それに礼を言わないといけないのはこちらの方だ」


「え?」


「桜井先生には、いろいろと助けてもらった。君の優しさ、寄り添う力に、俺は学ばせてもらったよ」


「そ、そんな……」


 高遠は、少し恥ずかしそうにしている結衣の頬に、そっと手を触れた。彼の指先は、ひんやりとしているが、その温かさに、結衣はドキリとした。


「君は、暖かな光で相手を優しく包み込む。――その光に助けられる相手に、嫉妬したよ」


 高遠の言葉に、結衣は驚いて彼を見上げた。彼の瞳には、真剣な光が宿っている。


「悪魔祓いなんていうのは、光の対極にある。それなのに、君の光に焦がれてしまった」


 彼はそう言うと、言葉を続けた。


「君の優しい光を守りたい。そんな愚かな願いを抱いてしまう。……君が俺の世界を変えてしまったようだ。……願わくば、君の隣で、俺の光を守りたい」


 彼の言葉は、まるで彼の口から初めて出たような、素直な感情だった。結衣は、何も言えずに、ただ彼の温かい手と、真剣な瞳を見つめていた。


 二人の間に流れる時間は、ゆっくりと、しかし確実に、特別なものへと変わっていった。

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