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【完結】ヒミツの放課後ホラー ~新米教師と、呪われた七不思議~  作者: ましろゆきな
第五章:特定の生徒にしか見えない屋上の少女の影

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第十二話:カフェにて

 屋上の七不思議が解決して数日後。結衣は、休日を過ごすために街へ出た。


 ウィンドウショッピングを楽しんでいると、偶然、カフェの近くで高遠の姿を見かけた。


 彼はいつもの白衣ではなく、落ち着いた色のセーターを着ており、いつもと違う私服姿に、結衣は少しドキッとした。


「高遠先生、こんにちは。お買い物ですか?」


 声をかけると、彼は驚いた様子で振り返りました。


「桜井先生か。まさかこんなところで会うとはな」


 彼はどこか寂しげな表情を浮かべていた。


 結衣は、理科室で彼が語った親友の佐伯悠真のことを思い出した。彼の心にまだ残る後悔を、結衣は感じ取った。


「もしよかったら、少しお話ししませんか?」


 結衣の誘いに、高遠は少し戸惑いながらも頷いた。


 二人はカフェに入り、窓際の席に座る。


「この間は、ありがとう。君のおかげで、佐伯を救うことができた。エクソシストである俺が、親友の魂を救えなかった。そんな俺を、君は救ってくれたんだ」


 高遠は、絞り出すようにそう言った。

 彼の言葉には、深い感謝と、そして、彼自身の後悔がにじみ出ていた。


「君は、俺が持っていないものを持っている。悲しみに寄り添う、その優しさが。だから、俺は決めたんだ。君を、危険な目に遭わせないように、俺が、君のそばにいると」


 高遠は、結衣の瞳をまっすぐに見つめた。


 その言葉に、結衣の胸は高鳴るのを感じた。


 彼の瞳に宿る、強い決意と、深い信頼。それは、ただの教師とエクソシストの関係を超えた、特別なものに変わりつつあった。

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