(3)
ケンジ・タカシ「「童貞捨て…?!」」
ケンジ「この、裏切り者がぁあ!」
ジンに掴み掛かろうとするケンジ。俺もケンジの気持ちはわかる。ジンの野郎、抜け駆けして何をしてやがるんだ。しかし、ここは冷静になって話を聞く必要がある。俺はケンジを制して、ジンに続きを促した。
タカシ「待て。ケンジ。ジンの話を聞こう。どういう事だ?」
ジン「実は昨日、ユミちゃんとデートしてたんだ。」
驚愕である。あの同じクラスのユミちゃんとコイツがデート?!驚天動地中の驚天動地だ。確かに最近、時々話してるような気はしていたが、まさかデートをするような関係だったとは。
ジン「どうしてデートする関係になったのかは伏せるが。とにかく昨日デートして、そろそろお別れの時間かと思った時に、ユミちゃんがちょっと行きたいところあるって言い出して。着いて行ったらラブホテルの前だったんだ。」
ケンジ「ゆゆゆ、ユミちゃんの方からぁぁあ?!」
タカシ「バカ!声でけぇよ!」
驚くケンジをよそに俺は案外冷静だった。俺はユミちゃんの噂を聞いた事がある。彼女は案外肉食系であるとのリークがクラスメイトの女子から上がってきている。最近まで一つ上の先輩とも付き合っていたようだし。
タカシ「で、そこまで行ってどうして童貞を卒業しそびれる事があるんだ。」
ジン「お、俺、怖くて。。そこまで好きでもないユミちゃんと急にそ、そういう関係になっちゃうのが。じ、自分が変わっちゃうんじゃないかとビビってしまって。」
ケンジ「ジンんんん!!!お前それでも男かよぉお!!キンタマついてんのかぁ!!」
ジン「だからぁぁあ!!俺はァアア!!後悔してーーー。」
それはジンの口に人差し指を当てて、黙らせた。皆まで言う必要はない。諭すようにジンに話しかける。
タカシ「後悔…してんだろ?」
ジン「あ、ああ。」
タカシ「なら行ってやれ。今の俺たちにはその手段があるんだ。」
ジン「でも、昨日に戻ったところで。」
タカシ「お前。昨日どうしたんだ?」
ジン「ラブホテルの前で用事ある!みたいな事言って走って帰った。」
タカシ「なら、今から昨日のその時間に戻ってラブホテルの前に行きゃーいいじゃねーか。で、用事は君の愛に応えることでした。って言って戻ればいいじゃないか。」
ジン「…!いいのか?でも、残り回数が…。」
ケンジ「馬鹿。男がケジメつけに行くのに、残り回数がどうとかケチつけるダチがいっかよ。」
ジン「2人ともぉ。うっぐぅうう。俺行ってぐるぅ。。ありがどぅ。。」
泣きじゃくりながら、タイムマシンを手に取り外へと駆けていくジン。
ケンジ「行っちまったな。」
タカシ「あぁ、行っちまった。」
ケンジ「あーあ。次会う時はもうあいつ童貞じゃないのか。」
タカシ「そうだな。童貞3人組から一抜けだな。」
ケンジ「ジンだけ先に大人になっちまうとはなー。」
ジン「よぉ!ただいま!」
タカシ・ケンジ「早っ!!」
思ったより早いジンの帰還に驚きつつ、そういえばタイムマシンがあるからすぐ帰って来れるのかと頭の中で納得した。何やらスッキリした顔で帰ってきたジンに対してニヤニヤしながら、ケンジが話しかける。
ケンジ「で?感想は?」
ジン「ん?なんだよ?」
ケンジ「とぼけんじゃねーよ。童貞卒業した感想だよ!!」
キョトンとした顔でとぼけているジンを、肘で小突きながらケンジが話す。俺も真似をして、このこの〜と肘でジンを突く。すると、ジンが両手で制しながら俺たちには驚きの話をし始めた。
ジン「お前ら、何言ってるんだ?童貞は卒業してないぞ?」
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