表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移は草原スタート?!~転移先が勇者はお城で。俺は草原~【書籍化決定】  作者: ノエ丸
出稼ぎ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/344

86.鉱山都市最後の夜

 4人を見送った俺達は、自分達の街へと帰る準備を始めた。


 手始めに、アナの別荘である小屋を掃除する事にした。

 ひと月にも満たない時間だったが、お世話になった家だ、来た時以上に奇麗にしていかないと、好意で貸してくれたアナに申し訳ない気持ちになる。


 シャロと手分けして、せっせと掃除をする。


 ……トイレのスライムはどうしたらいいのだろうか。

 俺等が来た時干からびていたが、そのままでも良いのか?

 少し可哀そうな気もするが、それを言ったら俺等の排泄物を押し付けてる訳だし今更か。


 俺はそっと蓋を閉じた。


 ◇


 午前中一杯掃除と荷物の整理に使い、午後は鉱山都市でお土産を買う事にした。

 そのついでに、ヴァルカンさんに別れの挨拶を出来たらいいな。

 兄弟のヴィーシュさんには世話になっている訳だし。


 そんなこんなで、鉱山都市の商店が立ち並ぶ区画をシャロと歩いていた。


 出稼ぎ目的出来ていたので、無駄な買い物をしない為にも、この区画はあまり来ない様にしていた。

 鉱石喰らいの報酬で俺達の懐は潤いまくっている、多少の無駄遣いでもたいした痛手は無い。


 鉱山都市だけあってか、武器や防具、鍛冶師が作った道具が多くある印象だ。

 中には銀製品や金製品といった高級なのもあるが、特に興味も無いのでスルー。


 色とりどりな武器や防具に目移りする。

 シャロもあっちにフラフラこっちにフラフラ、目を輝かせていた。


 俺も装備を新しくする為の資金を得る為に、この都市に来たが……。

 正直迷う、ここで買ってしまっても良い気がする。

 それだと、買った後の調整が出来そうにないので我慢。


 因みに、俺の剣は先の戦闘で折れてしまっていた。


 というのも、鉱石喰らいに下から突き立てるように刺した為、真下で気絶していた俺が救出されるまで耐えてくれたという。

 そして俺が鉱石喰らいの下から引き摺り出されると共に、その役目を終えた様に中ほどからポッキリ折れたという。


 そんな剣を作ってくれた、カルマンさんやヴィーシュさんの所で、次の剣と装備を作ろうと決めていた。


 シャロはどうするのか知らないが。


 それに俺の目的は武器や防具ではない。

 ありきたりだが、アナに髪飾りでもと思ったんだが……。


 本当に武器や防具しかない……。

 あれか、稼いだ冒険者から搾り取ろうって算段か。


 アクセサリー系を扱っているであろう店は門構えからして高そうだ。

 い、いくか?行けるのか……?俺はその店を見ながら尻込みする。


「ソラー!こっちに良い店あるよー!」


 シャロに呼ばれその場を、そそくさと離れる。呼ばれたなら仕方ない。


 シャロの指さす店を見ると、店というより露店だな。

 木箱の上に布を敷き、その上に色々な小物が並んでいた。


 ふむ、色々あるな……。

 俺は何か良いのが無いかと、端から端まで見る。

 様々なデザインの指輪、ネックレス、腕輪、髪飾り、アクセサリー屋か?

 商品を見ていると、露店の店主が話しかけてくる。


「いらっしゃい。

 兄ちゃん、何か彼女さんに買っていかないかい?」


 彼女か……俺とアナはそういう関係じゃないんだけどなぁ。

 俺がそう考えていると、露店の店主はシャロに向かい商品を勧めた。


「ほら、彼女さんにはこれ何か似合うんじゃないか?」


 そう言って、髪留めを差し出す。

 ……彼女ってそっちか。傍から見たら俺達はそう見えてたのか。

 まぁいいや。


 店主が差し出した髪留め、何かの花を模したデザインだった。

 ふーん?なかなかいい感じじゃない?俺は悪くないと思うが。


「シャロはどうよ?」


「買ってくれるの?」


「…………仕方ない、それ下さい。あとそっちのも」


 そう言って俺は、一番端にある。

 ある花を模した髪留めを指差した。


 銀に近い色だが、桜の花びらに似た花の髪飾り。


 アナの髪色にも合うだろう。


 店主に代金を渡して、髪留めをシャロに、髪飾りは〈収納魔法(アイテムボックス)〉に仕舞った。


 これでお土産はもういいか。

 前の世界みたいに、お菓子のお土産とか売ってたら良いんだけどねぇ。

 ……酒でも買ってくか。そうしよう。


 この後は冒険者ギルドにでも行って、ヴァルカンさんに挨拶して、今日は早めに寝よう。


 ……シャロがなんか上機嫌だな、髪留めがそんなにうれしかったのか?

 男の俺には良く分からんな。


「手に持つのはいいけど、無くしたりするなよー」


「うん!ソラありがとー!」


 そう言ってシャロが抱き着いて来た。

 おっとっと。急に抱きつくから少しよろけてしまった。


 腕に抱きつかれたまま、俺達は冒険者ギルドへと向かった。


 ◇


 今日も賑やかだな、昨日よりは少し少ないか?昨日よりは気持ち少なくなっている気がする。

 取り合えず辺りを見回す。――居ないか。


 見える範囲にヴァルカンさんは居ないようだ。

 適当な受付に行き、ヴァルカンさんが居ないか尋ねてみる。


「ヴァルカンさんですか?

 ええっと、今立て込んでいますので、伝言なら受け付けますよ」


「そうですか。じゃあ、ソラとシャロは明日この都市を離れる。とお伝えください」


「ええっと、ソラとシャロは明日、この都市を離れる……ですね。

 はい、承りました」


 受付のお姉さんは手元にメモを残してくれた。


 俺はお姉さんにお礼を言うと、そのまま冒険者ギルドを後にした。


 ◇


 日も暮れた頃、小屋の扉を叩く音がした。

 誰か来たようだ。シャロが扉に向かう。


「はいはーい」


 訪ねて来たのはヴァルカンさんだった。


「よお、伝言を聞いて来たぞ。

 明日帰るんだってな。」


 わざわざ来てくれたのか。受付のお姉さんには感謝だな。


「それでな、ヴィーシュの奴にこれを渡してもらいたくてな」


 そう言って〈収納魔法(アイテムボックス)〉から酒樽を3つと手紙を手渡された。


「お前達との採掘はなかなか楽しかったぞ。

 また何時でも来い、その時はゆっくり酒でも呑もうや」


「ええ、その時はお願いしますね」

「また会いましようねー」


「ガハハハハ、それじゃあな。

 見送りは出来んが、達者でやれ」


 そう言ってヴァルカンさんは帰って行った。


 これでこの都市を離れる準備が終わったな。

 後は夕飯を食べて寝るだけだな。


 その後、シャロと一緒に鉱山都市最後の夜を過ごした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ソラの台詞にカッコが付いた?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ