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異世界転移は草原スタート?!~転移先が勇者はお城で。俺は草原~【書籍化決定】  作者: ノエ丸
血濡れの魔女編

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33/344

33.揉め事発生。まぁ、そうなるよね?

 俺はシャロと訓練所で模擬戦闘をするも、シャロの新たなるスキルにより、一方的にボコられていた。


 くそがよー。

 新しいの覚えたなんて、聞いてないんですけどー。

 心の中で悪態をつきながら、群がるヒーラーの方々に回復魔法を掛けて貰っていた。

 何時もありがとうございます。


 暫く訓練をし、良い汗と血を流したので宿に戻る事にした。


 訓練所はギルドの中に併設されている為、外に出るには一度受付の前を通らなければいけない。


 ⋯⋯なんか揉めてる臭いな。

 受付の前を囲むように、人だかりが出来ていた。

 うーん、人が多くて分かりづらいな。


「何かあったんですか?」

 時折話す事のある冒険者の人に尋ねてみる。


「ん?ああ、なんか魔女と3人が揉めてるらしくてな。揉めてる内容まではわからんが」


 魔女か⋯⋯。

 アナスタシアの事だよな?3人って事はあの人達だろう。


 そう、この冒険者ギルドの世話焼きで、有名な[筋肉モリモリマッチョマンの3人]だ。


 俺も色々と世話になっている。

 冒険で必要な知識だったり、戦闘訓練なんかも時々してもらっていた。


 その3人とアナスタシアが揉めているとは。

 只事ではない気がする。


「近くに寄ってみようよ」


 シャロが、俺の腕を引っ張る。

 分かったから、強く引っ張らないでくれ。取れる。


 人混みを2人で掻き分け受付付近まで進む。

 ちょっと通りますよっと。


 4人が見える位置まで来た。


 アナスタシアと3人が、正面から向き合う形で睨み合っていた。

 いや、アナスタシアは微笑んでるな。


 無言でお互いを見ている4人の向こう側の受付に、アイリさんがいた。

 困ったような表情をしているな。


 何かに気づいたように、俺とシャロの方向に顔を向ける。

 バッチリ目が合った。


「ソラ君!ちょっと来てください」


 俺を名指しか~。片手で目を覆う。

 面倒事に巻き込まれるのが確定した瞬間だった。


「⋯⋯後ろから押すのやめて貰えます?」


 後ろの人達が俺の体をグイグイ押してくる。

 や、やめろ!


 人だかりから、ポーンと押し出され4人の前に躍り出る。


「あ、どうも⋯⋯」

「ソラ!」


 アナスタシアの顔がパアッと明るくなる。可愛い。


「ソラも来た事ですし。本人に聞いてみてはどうですか?」


 アナスタシアが言う。何やら俺の知らない所で話が進んでいた様だ。


「そうだな。ソラ。お前は魔女と知り合い、でいいか?」


「ええ、まぁ一応」

 何の確認だ?


「そうか⋯⋯。魔女が、お前を緊急依頼に同行させたいそうだ」


「⋯⋯?なぜ俺?」

 シンプルに疑問だった。何の役にも立たないよ?俺。いやマジで。


「私はソラに、道案内を御願いしたいだけですよ?」


 ああ、道案内ね。

 なるほどね、合点がいった。

 俺である必要は無いと思うが。


「道案内って言っても、俺は実際にその魔物見たわけじゃないから、正確な場所は分からないんだが⋯⋯」


「岩場まで来たら、私が索敵するから大丈夫だよ」

「それなら、ソラは必要ないんじゃないか?」


「それを決めるのは、貴方じゃないでしょう?」


 俺を巡ってバチバチしてる⋯⋯。

 シャロさん⋯⋯。

 いねぇ。何処行きやがった。


 シャロに助けを求めようとするも、既に何処かへ消えていた。


「あの!」

 アイリさんが声を上げる。


「一応、ソラ君の意思も聞いてみてはどうですか?」


 全員の視線が俺に集中する。


「一応確認で、道案内はデカいロックタートルの姿が確認出来る所まで?」


「うん。倒すのは私がやるから。ソラには傷一つ付けないって約束するよ?」


 ほーん、それなら俺的には問題ないが。

 問題は3人が、何に対して反対してるかだな。


「因みに、反対している理由って何ですか?」

 まぁ、素直に聞くのが一番だな。


「[白金(プラチナ)]ランクがわざわざ[(ブロンズ)]を連れて行く意味が無いからだ。何を企んでいる?」


「人聞きの悪い⋯⋯。そもそも、この依頼もソラが関わっていると知ったから受けようと思っただけですし。そうじゃないなら、貴方たちに任せてますよ?」


「信じろと?」

「ええ」


 ひぇぇえ。

 なんでこの2人こんなバチバチやりあってんの?俺か?俺のせいか?


「2人ともそこまでにして下さい。兄さんも落ち着いて。それで、ソラ君はどうしますか?受けますか?」


「俺は受けても良いですが。⋯⋯兄さん?この人が?」


「ええ、そうよ」


 俺は信じられない物を見た時、人は言葉を失うのだと知った。


「カッカッカ。みぃ~んな最初はそういう反応するなぁ~」

「へっへっへ。まったくだな。おら、リーダー。ソラがこう言ってるんだ、落ち着け」


「しかしだな⋯⋯」

「本人が受けると言った以上、俺等は黙るしかねぇんだよ~」

「へっへっへ、だな。悪いな魔女さん。リーダーは、ソラの事が心配なだけなんだよ」


「ええ、魅力的な方ですから。心配するのも分かります」


 なんか褒められてる?イヤー照れるなー。

 ヘヘヘと照れることにした。


「⋯⋯ハァ。信じていいんだな?」


「ええ。血濡れの魔女の名に懸けて」


 その名前に誓うのはあかん奴じゃ⋯⋯。言わないが。


「ソラ」


「はい」


「何かあったら言えよ?力にはなるからな」


「わかりました。ありがとうございます」


 俺の事を心配してくれていたのだろう。

 この世界に来てから、色々と世話になっている人達だからな。

 なんだか嬉しいな。


 3人は冒険者ギルドを後にした。


 残ったのは、俺とアナスタシアと受付にアイリさん。後は野次馬位である。


「それじゃあ。緊急依頼についての最終確認ですが⋯⋯。アナスタシアさん。ソラ君を道案内として連れて行く、で間違いありませんね?」

「ええ」


「わかりました。ソラ君もそれでいい?」

「はい」


「⋯⋯はい。それでは、今回の緊急依頼を受けるのは。アナスタシアさん、ソラ君。この2名で、冒険者ギルドは受領致しました。出来るだけ、早い討伐を御願いしますね?」


「そうですね⋯⋯。明日の朝出発しますので、明後日には完了していると思ってください」


 明日か。確かシルバーファングとの時は急な帰還だったのもあるが、2日位は掛かったな。

 ⋯⋯余裕をもって、3日分の食事を用意していた方が良いか。


 その後依頼書にサインをし、俺とアナスタシアは冒険者ギルドを後にした。


「ごめんね?急な依頼に誘っちゃって」


「大丈夫、大丈夫。予定も特になかったし。あー、でもシャロどうするか」


「シャロちゃん?」

「そうそう。何時もアイツと依頼受けてるからさ、今回はどうしようかと思って」


「ふーん⋯⋯。私の方から伝えておくね」

「それなら、俺は明日からの料理を作っておくかな」


「もし、良かったらでいいんだけど⋯⋯。私の分もお願いできないかな?」

 それ位なら問題ないか⋯⋯。俺は承諾した。


「いいよ。メニューはこっちで決めてもいい?」

「ソラに御任せで!」


「分かった。でも材料買いたいから市場寄ってもいい?」

「勿論、いいよ」


 俺とアナスタシアは、そのまま市場へと買い出しに向かった。


 ◇


 買い出しを終え、宿に戻る。


「それじゃ、後でね」


 アナスタシアは自分の部屋へと戻って行った。俺は裏切り者を探すとしよう。


 アレックス君にシャロの居場所を聞いた所。自分の部屋で昼寝していた。⋯⋯ハァ。自由な奴だ。


 シャロは放って置いて、料理をしよ。


「アレックス君手伝ってくれ」


「え、⋯⋯まぁいいけど。」


 俺とアレックス君の料理タイムが始まった。


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― 新着の感想 ―
気になるタイトル読み初めて、なかなか楽しめてますが 急に文体変わりましたか
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