宇宙からのメッセージ
「地球のみなさん、こちらはマゼラン星雲にある惑星デデブです。友好関係を結ぶために贈り物を用意しました。どうか受け取ってください」
各国の宇宙開発部署にそのメッセージは送られてきた。
「これを鵜呑みにしていいものかどうか……」
各国の首脳陣が頭を悩ませた。
贈り物?いったいどんなものだろう?
「ミサイルかもしれん」
「いや、もっと扱いが困る原子力関係かもしれん」
連日、その話題でもちきりだった。
まずは疑ってかかる。それがセオリー。
「大人って、融通きかないね」
たかしくんが下校の途中でいった。
「きっといいものだよね」
かおりちゃんがにっこり笑った。
大人たちが神経衰弱に陥っても子どもはあっけらかんとしていた。
メッセージが届いてから何年も経ち、世代交代が進んだ。
たかしくんは大人になり、幼馴染のかおりちゃんと結婚して家庭を築いた。
「困ったね」
未曾有の天候危機が次々と起こり、みんな散り散りになった。
その時。
「地球のみなさん。間に合ったでしょうか?」
メッセージを添えた巨大な装置が地球に届いた。
「天候調整装置です」
皆が歓喜した。
「ほら、やっぱりいいものだったよ!」
かおりちゃんが誇らしげに言った。
「我々と仲良くしてくれますか?」
「もちろんです!」
それから、デデブ以外の星系からも友好メッセージが次々届いた。
「恩には恩で返さなくちゃね!」
たかしくんたちは幸せな気持ちで生きた。