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第6話 破れ

 オレはハードボイルド……


 ハードボイルド探偵、早乙女 瞳!!


 マスターから依頼を聞いたオレは今自分の事務所に引きこもりコツコツとあるものを作っている。


 分かるだろう? ビラだ。迷子になっているチワワの捜索の為のビラだ。

 オレはマスターから預かった写真を元に今ビラを作っている。

 写真を拡大したものにチワワの特徴、名前、連絡先……


 ちなみに連絡先は例のBAR『ヨリミチ』……情けない話しだが。今、携帯電話は料金の未払いで止められているのだ……

 まったく、マスターにはいつも世話をかけてばかりだな。


 なに? ハードボイルドのくせに作業が地味だって?

 ふふふ、ハードボイルドだからってなんでもカッコよく解決できるわけじゃあないぜ?


 時にはこういった地味な作業も必要なのだ。


 そうオレはハードボイルドだからこそこういう地味な作業の積み重ねが大事なことを知っている。 全ては小さな努力の積み重ねだ。まあ……細かい作業は苦手なんだが……って……ん?


 写真ちょっとズレてる? んも~……直角じゃあないと気持ちわる~い。

 おっと……見苦しいところを見せちまったな。


 ところで犬探しということだが……今回はチワワだったということで案外簡単に見つかるかもしれない。


 というのも、犬の場合はいなくなったということは野良犬化しているか、誰かが拾って勝手に飼っているか、もしくは死んでいるか……


 チワワのような人気のある犬……特に今回の迷子ちゃんは首に赤いリボンをくくりつけてある。


 飼い犬だと分かっていれば、このご時世だ。


 死んでいなければ勝手に飼われているという可能性が高い。

 ビラを見つけたなら誰かが連絡をくれるというわけだ。


 ふふふ……ビックリしたかい?


 と言っても某有名探偵事務所とかなんとかがテレビで言ってたんだがな……


 なに?


 ハードボイルドなくせにライバルのやり方をマネる気か!? だと……


 ふざけるな!!


 いいか! オレこそがハードボイルド! ハードボイルドは目的の為なら手段など選ばない。例えどんな卑劣な手を使おうが……この世界結果が全てさ。

 もっとも……こんなオレのやり方を煙たがるヤツ等もいるかもしれないがな、ふふふ。


 あれ……やっぱ気になるなぁ……ちょっと気持ち写真がズレてる気がするんだよなぁ……


 まあ、いい。とりあえずビラ100枚! コイツをそこら中に貼って回って……


 ドンドンドンドン!


 !! なんだ? 随分と乱暴な……


「ワレコラ!! 早乙女ぇー! 金返せ、コラぁ!! 今日は居らんでも関係ないぞ! ドアぶち破っちゃるけえの!!」


 ああ!! あの恐ろしい声は……金貸しの拓!

 ドアをぶち破るだと!? ちょ……ま……


「ゴラァ!!」


 ドガァン!


「うわわ……う、うおおおおおおおおお!!!」


 ガシャーーーン!


 ドアを蹴破って入って来た金貸しの拓から逃れる為、オレは作ったビラの束を鷲掴みにし後ろの窓を突き破り2階にある事務所から飛び降りた。

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