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第3話 赤い世界

 オレは……えっと……






 なんだっけ?






 ……。






 あ、そうそう! ハードボイルド探偵、早乙女 瞳!! 




 だっけ?






 今から少し弱音を吐く……ここだけの話にしてくれ……

 なにしろオレはハードボイルド早乙女瞳。ハードボイルドは普段なら弱音など吐かないからな。

 オレは今……

 意識が飛びそうだ。


「用件を聞こうか?」


 とは言ってみたものの、実のところそれどころではない。


 流血のせいか、オレが見ている世界は真っ赤に染まり、視点が定まらない。

 泣きボクロの方を見ると、会話の内容は分からないが口がパクパク動いているのでおそらく依頼内容を口にしているのだろう。


 いや、しかし……


 寒い……


 全身に力が入らない……


 もうアレだ。オレは死んじゃうんだ……


 不死身のハードボイルドの死因はグラスの受け取りミスなんだ……


 なんて冴えないんだ……


 薄れゆく意識の中、もうすぐ殺人犯になるマスターの方に目をやる。

 依頼内容を聞いているのか、マスターは目に涙をためながら大きくうなずいていた。


 うん? 依頼を聞いているのか?

 だったら、もしオレが助かったらマスターから内容を聞けばいいや。

 それで依頼内容を聞いた後、コイツの頭をカチ割ろう。


 そう……何度も何度も……


 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!!!!

 そう……何度も!! 動かなくなるまでだ!


 おお……なんだか分からないが、活きる活力が沸いてきたぞ?

 待っていろマスター! いずれお前をオレと同じ目に合わせてやる!


 とりあえず今は依頼内容を聞いといてくれ……

 依頼内容を話し終えた泣きボクロがバーから出て行くのとほぼ同時に、オレはカウンターに頭から崩れ落ち意識を失った。

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