友達の女の子に襲われた!
スマホから七時に設定していたアラームの音が聞こえて、目を覚まし、ベットの上でもぞもぞと動く。
それから私は、重い体を動かしてベットから起き上がると、いつもの癖で窓の外を見る。
外は桜が満開に咲いていて、春の優しい陽気が桜を、街を照らしていた。
私はそんな景色にガラッと窓を全開にして、暖かくどこか甘い匂いのする春の空気を、部屋にどっと流し込み、部屋の中の空気を変える。
そして、それに満足した私は、
「友達が、出来ますように」
部屋の中で一人そう願った。
◆
ガヤガヤと笑い声や話し声が混ざり合い、そこに学校でよく聞く鐘の音が響く中、私は一人机と目を合わせていた。
「どっか映画でも見に行かない?」
「バイバイー、また明日ー」
「ご飯食べに行こうよ。美味しいお店知ってるよ」
理由は単純。新学期早々、私はクラスで唯一のぼっちになっていたから。
この春から私は高校生。中学でも確かに友達は少ない方で、数えるほどしかいなかったけど、高校では友達を作ろうと意気込んでいた。
朝、クラスと名前が張り出された紙を見て、この教室に入って来るまでは……
私は机と目を合わせていても仕方がないと思い、立ち上がって教室を出る。
そしてそそくさと廊下を歩いて、靴箱に上靴を入れて靴を履き、校舎を出る。
でも校舎を出ても、校庭と校門の前には沢山の人がいるので、私はその中を早歩きで通り過ぎる。
すると、次第に楽しそうな声が聞こえなくなり、私は歩くペースを少し落として、十分程、桜が舞っている道を歩く。
「ふぅ……」
今日は授業が午前中で終わったので、まだ空は青く、太陽は結構な高さにある。
心地が良い……私はそう思いながら、明日こそ、誰か友達を作ろうと決心する。
正直今日は予想外の連続だったから仕方がない。私はそう思って、一瞬だけ学校の方を振り返る。
『名月女子高校』。私が今日から三年間通う女子校の名前であり、偏差値もそこそこ高いちょっと有名な女子校。
だから私はてっきり、おしとやかな人とか、静かな人が沢山いるものだと思っていたのに……蓋を開けてみれば、中学の頃にいたクラスでトップの陽キャ達を集めたような女子しかいなかった。
「でも……」
今日は私の隣の人が休んでいた。だからまずは明日、隣の人に話しかけてみて、友達になろう。
私はぐっと鞄を握って家の扉を開く。きっと大丈夫。高校生活はまだ始まったばかりなんだから。
◆
高校生活二日目。いつものアラームの音に目を覚まし、学校に行く準備を整えて一階に。朝はいつも食パン一枚だと決めているので、自分で焼いていちごジャムを塗り、のんびり食べる。
それから昨日よりも遅く家を出て学校へ。
空を見上げると今日もよく晴れていて、桜の匂いが優しく舞っている。私は心を落ち着かせながら校舎に入り、上履きに履き替えて、教室の中に。
もうすでに結構な人数がいて、教室はとても賑やか。私は席に座って、隣を見る。どうやらまだ隣の人は来ていないらしい。
私は今日は来ますように、と願いながら一人スマホをいじる。連絡なんて滅多に来ない私のスマホでやることなんて、ゲームぐらいしかない。
だから私はゲームを起動させて……
「ねぇ、七瀬さん?」
急に名前を呼ばれてびっくりしながらも、顔を上げると、明るく可愛く笑っている人がいて、
「は、はい……七瀬です」
私はそんな笑顔に負けそうになりながらも、なんとか小さな声でそう返事をすると、さらににっこりと眩しい笑みを浮かべて、
「私は桜澪。澪って呼んで」
自己紹介をしてきたので、私はスマホをぎゅっと握りしめながら、頑張って口を開く。
「私は、七瀬結です。よろしくお願いします」
すると桜さんに、
「結。可愛い名前だね。結ちゃんって呼んでもいい?」
そう言われたので、私は頷くと、
「結ちゃん、よろしくね」
桜さんは私の隣の席に座って、どこか嬉しそうに鞄を片付け始めた。
私も取り敢えずスマホに視線を戻して、喜ぶ。まさか隣の人がこんなにも優しい人だなんて……それに相手からだけど、話せた。もうこれは友達になれたでしょ。昨日の目標を達成した!
私は心の中で喜びまくりながら、ゲームをやり、先生が教室にやってきて、朝のホームルームが始まる。
相変わらずの退屈な話にボッーとし、終わるまで待つ。チャイムがなると同時に長い話が終って、みんな立ち上がったので、私も立ち礼をする。
すると何故か、みんな教室の外に出始めたので、私がどうしてだろうと思っていると、
「結ちゃん、一緒に行こ」
桜さんが私の手を握って、引っ張ってくる。私は何も分からずに取り敢えず頷き、桜さんに引っ張られるまま歩くと、
「量多くない?」
「重たいんだけどー。教室まで運んでくれればいいのにー」
「持ってよ、重いよ、待ってよ」
理科室に着き、そこでみんな教科書の束を受け取っていた。
「ほらほら、行くよ」
私と桜さんも列に並び、教科書の束を受け取る。でも、外に出ることがほぼない、運動が嫌いな私にとってその束はものすごく重くって、両手で必死に持ち教室へと戻る。
「結ちゃん大丈夫?」
歩き初めてすぐ、桜さんが優しくそう言葉をかけてくれたので、私は大きく首を横に振ると、
「ほら、ちょっとは軽くなったでしょ?」
「あ、ありがとう」
桜さんは自分の教科書の束を片手で持ち、空いた方の手で私の束を下から支えてくれる。
私はそんな優しさに感謝を言って、会話をしようと思い切って口を開く。
「あのっ、さ……澪さんは、どうして昨日、お休みだったんですか?」
私の小さな声を、桜さんは最後まで聞いてくれて、
「風邪ひいてたの。春休み中全然治らなくてさ。なのになんか今日、急に治ったんたんだよね。不思議でしょ?」
私に笑顔を向けて話をしてくれ、私はそれに頷く。すると嬉しそうに桜さんは笑って口を開く。
「結ちゃんと友達になれたし、今日は運が良い一日になりそう!」
それから一時間目はロングホームルームで教科書に名前を書き、部活動の紹介を聞いて、二時間からは普通の授業が始まった。
古典、そして生物。今日も午前で学校は終わりなのでその二時間の授業が終わると、帰りのホームルームをして、教室は一気に賑やかになる。
「今日どうする?お金ある?」
「疲れたー。一緒に帰ろー」
「明日からは普通に六時間だよ。はぁ、終わりだよ!」
私はそんな雰囲気の中さくっと帰りの準備を終わらして、帰ろうとした時、
「結ちゃん、一緒に帰ろ」
桜さんが後ろから急に抱きついてきて、私の顔を後ろから覗いてきたので、私はテンパりながらも何度か頷く。
すると桜さんは私の手をぎゅっと握ってくれ、歩き出したので、一緒に歩く。
「結ちゃんって自転車?」
「あ、歩きです」
「学校から、家までどれぐらい?」
「十分かかるか、かからないかぐらいです……」
「結構近いね。いいなー」
桜さんと会話をしながら靴を履いて校庭に出てから、校門の近くまで歩くと、
「ちょっと待ってて。私自転車だから取ってくる」
桜さんは少し急いで、自転車を取りに行ったので私は少し待つ。
昨日と違って、校庭にも校門にも人だかりなんておらず、みんなどこか慣れたように歩くか自転車に乗って校門を出ている。
出て行く人達を眺めてみると、昨日は気付かなかったけど、見た感じ自転車が結構多い。そう言えば、私と同じ中学の人はこの高校には数人しかいない。知っている人、いないかな?……絶対いないか。
私がそんなことを考えていると、
「お待たせー。行こう」
桜さんが自転車を押しながら戻って来て、私は桜さんに合わせて歩き始める。
「えっと、どっちですか?」
「本当はこっちだけど、結ちゃんに付いて行っちゃだめ?」
「い、良いですけど、大丈夫なんですか?」
「うん。帰ってもやる事ないから」
「そ、そうなんですか。あの、学校から、家までって、どのぐらいなんですか?」
「四十分かからないぐらいだよ。まあ、まだ道覚えてないし、覚えたらもうちょっと短くはなると思うけど」
「そ、そんなに……大変ですね」
「まあ、そうだね。でも、自転車に乗るの楽しいから全然気にならないよ。結ちゃんって、部活どうする?」
「今のところは、入る気ないです」
「そうだよね。私も入らなくていいかなって。バイトしたいし」
「いいですね、バイト」
「結ちゃんも一緒に探してやる?あっ、でも家だいぶ離れてるしなー」
「そうですね……まあ、気が向いたら……」
「それ、絶対やらないやつじゃん!」
「……ふふっ」
私は桜さんのツッコミに思わず笑ってしまう。会ってから全然時間が経ってないのに、桜さんと話していると楽しい。
と、桜さんがやけに静かなので見てみると、
「かわ……過ぎ」
口を小さく動かしながら、ギリギリ聞き取れない声で何かを呟いたので、私が首を傾げると、ちょっと驚いた後桜さんは焦りながら、
「ゆっ、結ちゃんは兄弟とかいない?」
取り繕うようにそう言ってきたので、
「私は一人っ子で、いません」
不思議に思いながらも口を開き答えると、
「いいな、一人っ子。私、お姉ちゃんが一人いて、ちょっと面倒くさいんだよね」
落ち着きを取り戻して、桜さんは平然とそう返して言葉を続ける。
「いちいちうるさいしさ。勝手に私の服借りたり、買ってきたお菓子食べてきたり、いやなお姉ちゃんなんだよ」
「でも、私はお姉ちゃんいるの、羨ましいです」
「そう?まあ、結ちゃんのお姉ちゃんなら、きっといい人だろうけどね……ここが結ちゃんの家?」
桜さんの話の最中で私の家の前に着いたので止まると、桜さんは指を指して聞いてくる。だから私は頷いて、返事をする。
「はい……」
「私の家より大きいし綺麗。いい家だね、それじゃ……あっ、ねぇ、ライン交換しよ!」
桜さんはポケットからスマホを取り出して、私にラインのQRコード画面を見せてきてくれたので、ちょっと手こずりながらもなんとか読み取る。
そして桜さんは、高校生になって初めて聞く私のスマホの通知音と共に、物凄く嬉しそうな笑顔を浮かべながら、
『よろしくね!結ちゃん!』
そうメッセージを送ってくれた。
◆
私の高校生活は意外とあっという間に過ぎ去って、気が付けばもう冬休みに入り、クリスマスを迎えていた。
「寒いね」
桜さんは私の手を握りながらそう言ってくる。今年、私達が住んでいる地域は物凄く冷え込み、数十年に一度の大雪を降らせて、辺り一面を真っ白にさせていた。
そして今、私と桜さんは遊び終わって帰っているところなんだけど……
「ごめんね。今日私の家、誰もいなくて。また、泊めてもらっちゃって」
「いえ、全然気にしないで下さい」
どうやらこの大雪のせいで、桜さんの両親は帰ることが出来ずに近くのホテルに泊まるらしく、お姉さんも友達の家に泊まるらしいので、桜さんに私の家に泊まる?と聞いたら、申し訳無さそうにでも、すごく嬉しそうに頷いてくれた。
「はぁ……ホワイトクリスマスにはなったけど、ホワイトになり過ぎだよね!」
「ふふっ、そうですね」
桜さんは私が笑うと、どこか楽しそうな笑みを浮べる。
と、急に、
「ねぇ、結ちゃん。私の家にもまた泊まってね。お返ししないと!」
私の顔にギリギリ当たらないぐらいまで顔をぐいっと近付けて、そう言ってきた。
それになんだか恥ずかしいやら、可愛いやらでなんとも言えず、私は視線を逸らす。
なんだか少し前から桜さんと距離が近いと、ドキドキするようになって、こんな事が増えた気がする。
やっぱり私……
「着いたね。結ちゃん家」
「あっ、うん」
私は桜さんの言葉にふと我に返り、自分の家の扉を開く。
すると、
「おかえり。寒かったでしょ、澪ちゃんも。好きなだけ泊まってね」
お母さんが出迎えてくれたので、
「ただいま」
「お邪魔します」
私はいつも通り、桜さんは少し頭を下げてそう返すとお母さんは笑って、
「気にしないでね」
それだけ言って、歩いてリビングへと向かい出したので、私と桜さんも階段を上って私の部屋へ。
「あったかー、さすが結ちゃんのお母さんだね。エアコン付けてくれてるなんて」
「うん」
それから私と桜さんは部屋でゆっくり時間を過ごして、七時を回った頃、私、桜さんの順番でお風呂に入って、一緒に夜ご飯を食べ、後は寝るだけに。
「美味しかった。結ちゃんのお母さんの料理って、なんであんなに美味しいんだろ?」
「お母さんは、料理を作るのが大好きだから、だと思います」
「そうなんだ。あれだね、好きこそものの上手なれ、ってやつだ」
「そうですね」
私は座って、桜さんはベットでゴロゴロしながら、会話を続ける。そんな中学の時には考えられなかった時間が、高校、特に夏休みからは時々あって、私はこの時間がすごく好き。
「結ちゃん、もう十時だね。……ゲームしない?」
夢中になって話していると時間はすぐに経つ。いつもなら、もうちょっと話そと桜さんが言い続けて、結局寝るのが深夜になるけど、今日は違って、桜さんがそんな事を聞いてきたので、
「なんのゲームを?」
私がそう聞くと、私の机の引き出しからトランプを取り出して、
「王様ゲーム」
どこか無邪気に笑みを浮かべながら、そう言ってきたので、私と桜さんは机を挟んで、それぞれ座る。
「ルールは、このトランプの束を上から一枚取って、せーの!で見せる。そして、キングが出たら王様。相手に好きな事をお願いできる。まあ、できる範囲ね。それと私と結ちゃんどっちもがキングだったら、結ちゃんが王様ね。分かった?」
「はい。でも、取る順番って……」
「先攻と後攻、結ちゃんはどっちがいい?」
「えっと……後攻で」
「オッケー。なら、はい」
桜さんが一枚取ったので、私も一枚取って、
「いくよ、せーの!」
同時にトランプをみせる。桜さんはエース。私はクイーン。
「よし、もう一回」
取ったトランプは元に戻さず、もう一回らしい。それから、何回かして、
「結ちゃんが王様だね。好きな命令をどうぞ」
私が王様になって、桜さんにそう言われる。けど、命令なんて……
「あっ、その……どうして、私と友達になってくれたんですか?」
頭の中にぱっと思い浮かんだ、少し気になっていた事を聞いてみた。
それに桜さんは少し間を開けてから、
「可愛いなって……好きだなって、思ったからだよ」
いきなりそんな事を言ってきた。その言葉を私は頭の中で上手く処理できず、顔が熱くなるだけで……
「す、好きって……どういう……」
「命令は一個まで。次」
桜さんは声こそ普通だけど、顔は赤く、どこか気を取り直すように、トランプを全部元に戻すと、混ぜて、
「ほら、引いて」
私にそう言ってきたので、私は無言で引く。
「せーの!私が王様だね」
いきなり一枚目で今度は桜さんが王様になって、私は命令を待つ。
「んー……ねぇ、敬語禁止。タメ語で喋って。前も言ったのに、すぐに敬語になるんだから。敬語になったら、一回休みね」
「えっ……分かりま……分かった」
なんか命令が二個ある気がするけど、私は気にせず、頑張ってタメ語で返して、次に。
「せーの!せーの!せーの!結ちゃんが王様」
今度は私が王様になったので、さっきの続きを聞く、
「えっと……さっ、さっきの好きって、どういう意味?」
「……そのままだよ」
「恋愛的な意味じゃない方で……」
「恋愛的な意味で、だよ」
私の言葉を遮って口を開いた桜さんに、私は思わず下を向いてしまう。
すごく嬉しくて、恥ずかしい。でも、上手く言葉が口から出なくって……その間に桜さんはまたトランプを一枚引く。
「結ちゃん……ほら」
私も少し遅れて、またトランプに手を伸ばし、一枚引く。
「せーの……」
そこから何枚も何枚も引いてやっと、桜さんがキングを引いて王様に。
「私が王様。ねぇ、結ちゃん。結ちゃんは……私の事好き?」
桜さんのその言葉に、私は自分の服をぎゅっと握りしめて考える。
私は友達として桜さんは好き。なら……恋愛的な意味だったら……私がチラッと桜さんを見ると、いつものようにそれに気が付いて、優しく笑ってくれる。
いつからなんだろう。そんな笑顔にドキッとするようになったのは……いつからだろう。手をぎゅっと握られたら、顔をぐいっと近付けられたら、ドキドキするようになったのは……
「わ、私は……」
恥ずかしくって、口が上手く動かない。でも、でも、桜さんは……澪は言ってくれたから……
「澪の事……大好きだよ」
服が千切れそうになるぐらい強く握って、私は出来る限りの大きな声で、好きと伝えた。
それからしばらくお互い無言で……時計の秒針の音と、強い風が窓を叩く音だけが部屋に響く。
「……よかった」
秒針が何十回か秒数を刻んだ時、澪がポロッと口からそれだけ零して、私の方へと来ると、私の頬に手を当てて、
「キスしても、いい?」
小さく優しい声でそう言ってきたので、私は頷く。するとゆっくりと澪の唇が近付いてきて、
「……んっ♡」
初めて私は人とキスをした。その瞬間、私の中で何かが壊れて……それからどちらからともなく離れると、続けて澪が私の胸に顔を埋める。
「結ちゃん……結ちゃん。嫌われたどうしようって、ずっと考えてたけど……本当に、よかった。やっと言えて……好きって言ってもらえて……」
泣きながら私をぎゅっと抱きしめて、途切れ途切れに言葉を零して、安心したように、私を見上げてくる。そんな可愛い顔に、
「ねぇ……最後にもう一回……王様ゲーム、しよ」
敬語にならないように言葉を言うと、澪は頷き、
「うん、やろ」
少し名残惜しそうに、元の位置へと戻る。そしてトランプをよく混ぜて、澪が引き、私も引く。
「結ちゃん、せーの!私が……あっ」
同時にトランプを裏返すと、澪はダイヤのキングで……私は、ハートのキングだった。
だから私が王様。それが分かった瞬間、私は立ち上がって、
「澪……ベットに座って」
澪をベットに座らせると、抱きついて、押し倒す。自分でも、なんでこんな事をやっているのか、思っているのか分からない。でも、口から言葉が出てくる。
「さっきの続き……しよ」
私の言葉に、澪は一瞬固まった後頷く。だから私は、澪の頬を両手で優しく挟んで、また、キスをする。
「んっ♡……んっ!?ゆいんっ♡♡」
途中から澪は少し暴れ出したけど、気にせずにキスをし続けて、私は満足して、顔を離すと、唾液が糸を引いて、澪のうっとりした顔が視界に入ってきた。
お互いに荒い息で、体が熱くて顔が赤い。私はこの後の事なんて全く考えていなかったから、動けずにいると、澪は少しボッーとした後、私の腕を掴んで、
「結ちゃん……舌はずるいよぉ♡」
甘い声でそう言ってくる。その声と表情が頭に響いて、私は澪のズボンの下に指を入れる。
「んあっ♡ま、待ってっ♡ゆい……んんっ♡」
「凄い、濡れてるね」
「あっ♡ダメっ♡……ダメッ♡」
指を軽く動かしただけで、腰を浮かせて甘い声を出し、形だけの抵抗をする。
「そこっ♡奥っ♡……ダメっ♡ああっ♡」
私が奥まで指を全部入れると、澪は言葉とは逆に咥え込んできて、気持ちいい所を探して、執拗にそこを弄ると、
「やめてっ♡イッちゃうからっ♡……ダメッッ♡……イクッッッ―――――♡♡♡」
足をガクガクさせて、大きく体を跳ねさせ、荒い息を繰り返す。
私はそんな澪から一旦指を抜いて、果てている澪の服をゆっくりと脱がしてあげ、下着だけにする。
そして、澪の手首を掴んで、私のおっぱいに押し付けると、
「澪……脱がして」
そうおねだりするように言うと、澪が少しがさつに服を脱がし、そのまま私は下着も全部脱がされて、
「お返し……しないとね」
私の乳首を必死に舐め出し、片方は弄りだした。
「澪、もっと……あんっ♡……それ、いいっ♡」
私は澪の頭を撫でてあげながら、気持ちよくて体をビクビクさせる。でも、澪は優しく舐めて、優しく弄ってくるので、どこか焦れったい。
「か、噛んで……つねってぇ……あんっ♡」
私の言葉に澪は優しさがなくなって、雑になる。けど、それがすごく良くって……
「澪……澪っ♡ダメッ♡そんなにっ♡……されたらイクッ♡……んあっ♡イグッッ――――♡♡♡♡」
私は体を震えさせながら澪に抱きついて、澪の首筋に顔を埋める。
頭がボッーとして溶けそうで、でも、もっと澪と一つになりたくて、私は少し経ち澪の下着を全部脱がして、
「んっ♡…………ぷはっ♡♡」
軽くキスをした後、続けて私は澪の下の口を舐め始め、澪も私の下の口を舐めて、お互いに舐め合う。
「んぐっ♡♡……んっ♡……んんっ♡」
澪は私の口に思いっ切り下の口を押し当ててきて、私は思わず更に吸い付き舌を入れる。
「結ちゃんっ♡また、舌……おかしくなるぅ♡♡」
私も疼いて仕方ないので、押し付けてから少し上下に腰を振ると、澪の歯が当たって、お互い顔を愛液でびしょびしょにしながら必死に舌を動かす。
「んんっ♡……おっ♡いっひょに♡イこう♡……んおっ♡」
「うんっ♡……れいっ♡れいっ♡……ひっ♡♡ごしごしってぇ♡ダメッ♡」
「イグッ♡イグッ♡おおっ♡♡」
「わらひもっ♡イグッ♡」
「「イグッッッ―――――♡♡♡♡」」
お互いに、体が言う事を聞かないぐらい痙攣させて、お互いにお互いの匂いで頭がおかしくなり、数分、必死に荒い息を繰り返すだけの時間が続く。
先に私が復活して起き上がり、澪の両手を握って体を押し付けると、そのままキスをして、互いに愛液まみれの顔をくっつける。
「んっ♡んっ♡……んはっ♡♡はぁ♡……はぁ♡」
キスをした後、少しの間見つめ合って私は澪をまた押し倒す。
それから、
「澪……大好き」
「私も……大好き、結ちゃん」
先程舐め合った下の口同士をくっつけて、私が動く。柔らかくて暖かい感覚の中で、私は激しく動いて、
「イッたっ♡ばかりだからっ♡……ヤバいっ♡♡」
澪の溶けた甘い声がお腹と頭に響く。
「私もっ♡あっ♡れいっ♡……大好きっ♡」
「ずるいっ♡私も、大好きっ♡」
お互いに両手を握り合って、甘い声を口から零し続け、汗やら愛液やらでぐちょぐちょの下の口を押し付けて擦る。
「あっ♡んっ♡もっと動くよっ♡」
「あっ♡あんっ♡これやばいっ♡」
お互いにもうイきそうで、息がどんどん荒くなる中
「れいっ♡一緒がいいっ♡♡」
「私っ♡もうっ♡イクッ♡♡」
「「イッグッッッ―――――♡♡♡♡♡」」
お互いに体を反らしてイき、ベットのシーツがこれでもかと濡れる中、私は力尽きて澪へと倒れて抱きつくと、
「ずっと……一緒にいよ……澪」
澪の耳元でそう言う。すると、澪は私を抱きしめて、
「うん……絶対」
そう言ってくれたので、私は思わず眠気に飲み込まれる前に、
「……よろしくね」
一言それだけを言って眠りに落ちた。
最後までお読みいただきありがとうございます。作者の海神です。
まず、ごめんなさい。途中いきなり場面が変わり、短編小説なのになんか完結してないんですが、お許しを……あのまま春をずっと書いてたら長編になる勢いだったもので……
普段は長編ばっかり書いていて、初めて短編に挑戦したんですが、難しかったです。
もっと練習しなければ……
まあ、悪くはない出来だとは思うんですけど……もっともっと上手く書けるように頑張りたいと思います!
気が向いたら、長編になるかも……?
面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、
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