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27.気配

「次は何処へ行きなさるおつもりで?」

 昼の繁華街を歩く青髪の女に赤眼の男が問いかけた。隙間もなく埋め尽くされた飲食店と賑わう客の雑踏の中を歩いている女が答える。

「一度帝国に戻ろうと思う」

「皇帝に会うってことですか? 今さらあんなもンに会っても意味ないと思いますけど、せめてレーベルクとかユーリィが見つかれば儲けものですねぇ」

 男の名前を出すと気分が悪くなるらしい。赤眼の男がしかめっ面をしている様子を捉えて青髪の女が言葉を返す。

「傀儡なのは分かっている。ただ、一応な」

「あの国、何か臭いんですよねぇ」

「臭いがという意味か?」

「気配が」

 クィンが青い眼をツェンに向けて光らせるが、やはりこの男の思考は読みづらい。仕方なしに言葉で質問をする。

「あの国に何がある?」

「行けば分かると思いますよ。死臭が。死んでるって意味じゃありま」

「それは分かる」

 青い眼を光らせることもなく女がツェンの言葉を止めた。

「あれから二年経ってますからねぇ。人類のことなんざ俺は知ったこっちゃありませんけどあんまり人間臭くなると鼻がキツいもんで」

「お前も大分人間臭くなったと思うが」

 そう告げた女に赤眼の男が何も言う事もなく心中で微笑んだ。

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