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22.神域

「で、どうするおつもりで?」

 教皇庁の前でツェンがクィンに訊ねる。

「言っただろう。教皇と会う」

 深く思い悩むふりをした赤眼の男が庁舎に向かって掌を上に向ける。

「失礼」

 マグマが噴出し庁舎を跳ね上げた。消し炭さえ残らない建物と大穴を見たクィンがツェンを問い詰める。

「お前! 何してる!!」

「ファル子ちゃんがしてることをお伝えしておきたくて。これと同じことになりますよ。人間の意識の平均化は」

 ツェンに対して青い眼を輝かせた女が悲しい瞳で庁舎を元に戻した。





「あまり収穫はなかったな」

 教皇との会談を終えたクィンが告げる。

「顔合わせできただけ良かったんじゃないですかね。普通なら会えるような人物じゃありませんし」

「普通、か」

 前髪を捩じりながら自身の能力と人間性が他人と乖離していることを青い眼の女が思った。

 その表情から感情を読み取ったツェンが言う。

「神と人とじゃ生きる領域が違いますから、そういうモンですよ」

「お前もそうなのか?」

 そう告げたクィンの光らぬ青い眼を見てツェンが返す。

「ご想像にお任せ致します」

「ふざけた男だ」

 青眼の女が、ふっと微笑んだ。

「飯でも食って帰りましょうや。この辺は蟹が美味いらしいですぜ」

「ああ、沢で取れる蟹が絶品らしいな」

 ツェンが笑顔で告げる。

「そういう情報だけ早いんだから」

「人間の表層だけは読み取りやすくてな」

 ぶすっとした顔でクィンが返事をした。

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