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21.親和
「さーて、何をしに来たんでしたっけ?」
「教皇に会う」
その返答に渋い表情をしてツェンが答えた。
「あまりお勧めはしませんぜぇ? ここで揉め事を起こすと色々と面倒臭いんで」
「揉めるつもりはない。教皇を懐柔できれば世界的な影響がデカいんだ」
口から出かかった言葉を止めた赤眼の男が言葉を返す。
「まあ出来る限りの協力は致しますよ」
「ここのシチューはなかなか美味いな」
「この辺の湖で取れる魚が絶品らしいですからねぇ。こういうのがお好みなら帰ったら作りましょうか?」
「ああ、お前の飯は美味い」
その言葉に軽く笑みを浮かべて男が答える。
「ありがとうございます」
「ところで何で旅行みたいなことしてるんですか?」
前髪を捩じりながら思案した女が答える。
「お前に言われて人間のことを知っておこうと思ってな」
「そりゃ差し出がましい真似を致しまして」
微笑む男にクィンが告げる。
「特に不快ではない」
顔を背けた女が歩き出した。




