ひとつの光
傍にいるべきだったのかも
あなたの出したサインに
気づいていなかったのかも
なにか手伝えることはない?
もう傷ついたりしないように
もう……手遅れなのかな
みんなが寝静まった夜に
たくさんの輝く光を見たね
みんな持っているけれど
いつまで持ち続けられるかわからない
そんな光を
こんなことを言う人がいるんだ
ひとつくらい光が消えたって
誰も気になんかしないって
空にはいくらでも星が輝いているんだから
その中のどれかひとつくらい消えたって
誰も気になんかしないって
そんな星の一瞬のまたたきを
人の一生に置き換えてみると
きっと僕たちの命は
そんな一瞬のきらめきよりも
もっと短く儚く消えていくから
だからその中のひとつが消えたって
誰も気にするやつはいないだろうって
そうかな
僕は気になるよ
使われなくなった椅子を見るたびに
思い出すんだ
あなたは怒るだろうな
きっとね
冗談じゃないってさ
だって
あなたはただ姿が見えないだけで
ここからいなくなったわけじゃ
ないんだから
誰かが言うんだ
ひとつくらい光が消えたところで
誰が気にするんだ? って
空にはこんなに星が光ってるのに
その中のどれかひとつが消えたところで
誰が気にするんだ? って
もし星の光が
僕たちなのだとして
あっという間に
消えてしまうのであれば
そんな光のひとつが消えてしまっても
誰も気にしないだろう? って
でもね
僕は気にするんだ
ひとつくらい光が消えたとして
誰が気にしたりするんだ?
空にはいくらでも星が光ってる
その中のどれかが消えたって
誰が気にするんだ?
たとえ星の光が
俺たちの存在そのものだったとしても
どいつもみんな消えていくだけ
その中のどれかが消えたとしても
そんなの誰が気にするんだ?
僕がいるよ
僕はそのひとつが
消えてしまうのが嫌なんだよ




