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五章【プロローグ】
五章、予告でございます。
この章はメリがメインとなる章です。
幸せとは何か、それを決めるのは他人ではない。
しかし、人は他者から見た価値を気にするものである。己の価値を確認し、安心を得たいものである。
その価値が揺れた時、その者の真の価値がわかる。誰にもわからない、奥底の光るものが見える。そして、それを最初から理解している者が、幸せというものを示すだろう。
満月の夜。いつかの告白をぼんやりと思い出していた。
私の終わりと始まりは、いつだって満月からだった。婚約破棄され、地下に入って、地下から出て、新しい環境に身を置いた。そうして、また満月の夜に私の婚約は結ばれた。
左手に嵌められた指輪にそっとキスを落とす。私はまだ彼に言っていないことが幾つかある、それは彼も同じで、今後必要がなければ互いに語らないだろう。
それでも尚、もやっとしてしまうのは、私がまだ私自身の罪を白状していないからすぎないのである。




