21/150
二章 プロローグ
二章プロローグ兼予告となります。
魔力。それは魔術師にとって人を品定めする価値となる。より魔力が高い女性は、その子供も高いとされ、魔術師達は魔力が高い女性を探し求めた。
特に王族と呼ばれる、国を動かす者達は、より魔力の高い者を探した。全ては国の安泰のために。
アムレートの隣国、機械技術大国マシーナにて、この国の王、ミカニはため息を零す。
「これは、流石に、余でも、目に、余る」
ミカニ王の手には、数枚の書類が握られており、そのどれもが、マシーナ最北端にある研究所、魔法道具研究所についてであった。
「父上、アレを放置するのは如何なものかと」
「うーむ……」
王太子である、シエギは父に苦言を申すが、ミカニは考えあぐねた様子であった。
研究所の目に余る所業は今更なのだ。そう目は訴えており、シエギもまたため息を零すに留める。
そんな二人の様子を、この国の第二王子、ガレイが見ているとも知らずに。




