閑話:とある会議
南雲視点のお話です。
「南雲!貴様のところはいつになったら成果を出すんだ!」
いやー、困りましたね~。いつ成果を出すんだって言われても、ほぼ世界初の試みなんですけどねぇ。
私は少し困りながら、山元部長の禿げかかった光沢のある頭を見る。
「生物型人造人間『タイプ・ヴィーナス』は初めての試みが沢山詰まっておりまして。被験体も肉体の運用に非常に難儀してるとこなんですよ~、山元部長。あ、よければ、私が開発した育毛剤を試用されてみます?」
「余計な一言は言わんでいい!!!」
あらら、一気に血圧を上げてしまいましたね~。気を使ったんですが。
「それよりも!早くヴィーナスの戦闘データを取れ!米国のオプティマスからも再三の催促が来ておるんじゃ!ワシの胃に穴でも開けるつもりか!!!!!!」
オプティマスなんて寄生虫、放っておけばいいと思うんですよね~。
「現在は段階的に制御が出来てる状態ですから、週明けくらいには稼働実験は出来ると思いますよ~。ナノマシン運用も同時にテストできるかな~と予定しておりますよ~。」
「何で貴様はそんな悠長な喋り方してんお!?ワシ、いい加減怒るよ!?」
いや、もう、既に怒っているじゃないですか~、嫌だなぁ~。
「まあ、山元部長、そこまでにしなさい」
渋い声、これは川越社長の声ですね~、いや~、助かった~。
「ですが、しかし・・・」
「山本部長の言わんとする事もわかる。オプティマスとウチは技術提携しており、資金援助もされているからね。だが、この計画自体、南雲所長の技術がなければ成功しなかったのも事実なのだ。古今東西で発掘されるオーパーツ、それの技術転用に関しては、我々極亜重工とオプティマスがパイオニアとして進んでいかねばならん。だが、この計画自体も世界初と言ってもいい。英国やロシア、中国に盗まれるわけにもいかん。そこを踏まえて、やってくれるね、南雲くん?」
そう言われると弱いんですよね~。
「わかりました~、なるはやで進めますね~」
「君の働きに期待しているよ」
はぁ、お偉いさんは苦手だよ・・・。
次回は待ちに待った戦闘シーンです。
登場する専門用語などもあるので、纏めますね。