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訓練

本日一話目です。

あと一話、投稿予定です。


後、近いうちにド派手な戦闘が始まります。お楽しみに!


バキッ!!


手元の箸が粉々になる。参ったな・・・、満足に箸の一つも使えないぞ。

私は今、箸で小豆を皿に移す練習をしている。この練習をする切っ掛けは本当に単純な事なんだ。何故か、力の制御ができない。腕も足も細いのに、その筋力は想像の斜め上を行っていた。

ドアを開けようとすれば、運が良くて取っ手が取れる。悪くてドアが粉々。笑えないだろ。

正拳突きを行えば、足元が粉砕されるのでまともに券も振るえない、跳躍すれば10mはある研究施設の天井に頭から刺さる。そのお陰で南雲から伝えられたのは


『申し訳ありませんが、力のコントロールが出来るまで練習をお願いします』


流石に私も何も言えなかったよ。少しでも動けば、災害をまき散らすような体なんだからさ。

つっても、この箸を使ったトレーニングが思ったよりむずか、、、あ!


バキッ!


またやっちまった・・・。


「少し休憩されますか?暖かい飲み物をお持ちしますよ」


振り向くとそこには、茶色い髪をボブカットにした、眼鏡をかけたインテリ美人の足立詩織あだちしおりさんが居た。


「いや~・・・すごい難しいです。会社としては、早く働いて欲しいんでしょうけどね~、すいません」


それを聞いた詩織さんはにっこりとわらって応えてくれた。


「あら、そこまで気にしなくていいんですよ?そもそも、完全なサイボーグ型とは違い、出力調整がマニュアル、、、感覚依存になるので、これは仕方ないんです」

「そういうモノですかね」


私は受け取った湯気が立ち上る紙コップを受け取り一口含んだ。


「あちち」

「あら?熱かったですか?」

「いえ、感覚自体も敏感になっているので、油断するとマグマが口に広がる感じになってしまって」

「あらあら。次は常温のものを用意しましょうか?」

「いえいえ!これも訓練です。実は、味覚も敏感なので、おいしい料理は楽しみになるんですよ」

「それはいいですね!」

「ただ、不味い料理だと地獄を見ますけどね」


そう詩織さんと歓談し、しばしの休憩を楽しむ。あの入院生活から考えたら、天国のようだ。まぁ、、、南雲と関わる以外はなんだけど。


「そういえば、今日は南雲は?」


そうやって詩織さんに話を振る。


「南雲所長は、役員会議に出席されてますよ?お寂しいですか?よければお伝えしておきますね?」


そう言って、詩織さんは鈴の音がなるように笑う。


「げっ、絶対止めてくださいよ、、、絶対面倒な事にしかならない」

「ふふふ、そういう事にしておきますね」


いや、マジ勘弁してください。


「さて、やるか」


そうして私は詩織さんが居る横で、再度箸を粉々にしながら訓練を続け始めた。



いいね!高評価いただけるとモチベーションにつながります。

誤字報告ありがとうございました!見て頂けてる実感がわいて、頑張れます!

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