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死神とペンギン  作者: もちごめ
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プロローグ

プロローグ


人は死ぬと何になると思う?

転生へ向かうまで、いつか誰かの元へまた生れ落ちるまで


全てペンギンの形をしてるという。


--------



今日も青空、雲の上。

私は死神。死神の中でも案内人の役目を担っている。

ペタペタペタと雲の上を何人、何匹ものペンギンが列を為して進んでゆく。

列を乱さぬよう、悪いものに取り込まれぬよう、どこまで歩けばたどり着くか分からぬ光の方へ導いている。


私はこの一角しか知らない。

私はこのペンギンたちの行先を知らない。


ペンギンになれなかった者達がペンギンを喰らおうとするから

最後までたどり着けるよう、魔女の帽子を与える

そんな役目。


「死神さん、帽子をくださいな」


ぼーっとしていると1人のペンギンがそう私に言う。

うっかりすると混雑が起こる。


「すまない、受け取ってくれ。気をつけて」


「ありがとう、コレで怖くないね」


表情はわからないが、心無しかにこやかに去っていく。

ひたすら私の前を通るペンギンたちに、配る帽子。

前を見ても後ろを見てもペンギン。


「いつ見ても圧巻だな」


思わずそう呟いた。


この何匹ものペンギン達は信じている

この光の先に希望があるのだと

現世のしがらみを、苦しみを、悲しみと喜びと成長を忘れ

ただただ

波に逆らわず

揺れて

光の方へ



私は死神


希望も、喜びも、苦しみも、痛みも

人間の持つものだと


私はそう思っていた。


後ろの列から突如現れた

思いを残した、1匹のペンギンが私の前に現れ、私をさらって、この小さな世界から飛び出すまで。


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