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異端力者の世界変革  作者: ぐりーなー
6/12

一章:パートナー(2)

「結局雷斗様はお人好しさんですね?」

「お前のおかげでな」

「さてそちらさんもルールを無視するようですし、こちらも構いませんよね?」

少女は五人の男たちへと警告するようにそう言って上げたのだが。

「がははははは!餓鬼が一人増えた所で何が出来るんだ。屁でも無ぇ!!」

男共は全員大笑いをし、余裕でそう答えた。

「つまり構わない、そう言う事ですね?」

「……ああ」

ただ、これは言った通りSSランク少女の警告だ。最強である彼女からの慈悲だ。それを了承するという行為は考えただけでも鳥肌が立つ。

後悔は後にしかたたない。どんまいと言っておこう。

「安心しましたよ。これで心置きなくぶっ飛ばせますから……」

「はぁ?雑魚二人で?がはははは!!!馬鹿じゃn「それ以上は雷斗様への侮辱と捉えますよ?」」

「!?」

少女のその言葉と共に発生したどす黒いオーラの様な殺気は男共を気圧した。

こっちまで怯みそうだ。

「何しやがった!!」

男はビビった事を隠すように慌てて体制を取り直し、ぶっとい棍棒を構えた。

「この程度の威嚇で怯む貴方達が雷斗様を蔑む?良い御身分ですね」

怒りを更に焚き付けられた少女はスカートのポケットからリボルバーを取り出し男共へ向け、躊躇いの一つもなく引き金を引いた。

バンッと何かが発射された音は響くが、銃口からは空気以外何も飛び出してこない。

呆気にとられる五人を前に少女は俺の顔を見て頷いた。

少女の合図を俺は考える。

「は、はは!空砲?餓鬼の遊びじゃねえんだから!!」

違う。SSランクの能力者がそんな底なしの馬鹿の様なミスをする筈がない。

弾丸は撃たれた。つまり今男たちの所へ見えない弾が向かっている。攻撃を受けた素振りはなく、少女はタイミングを見計らっている。

もし、弾丸が少女のスイッチによって何かを起こすとしたら?攻撃は必ずしているはず。そして、それは人一人を狙ったわけではなく、そこにいる五人全員を狙ったように。……巻き込む攻撃、火薬。

マジか!!女の子まで巻き込むつもりか!?

「いつの間に!!?」

俺は全速力で男共の輪に入り込む。

「無能がっ!!」

男の一人は蹴りを入れて来るが、構っている場合じゃない。一つ睥睨すると男はパタッと倒れる。

「な、何をした!!」

「ちょっと悪いな」

男の手を全て払い、お姫様抱っこでそこを脱出すると、男共はそれを阻止すべく中心に集まる。

俺がそこから抜け出すのを見計らい「爆」と少女が小さくそう唱えた瞬間、男共の周囲に轟音を鳴らしながら爆発を起こす。

「マジかよ!」

弾丸が少女の一言で大爆発を起こしたのだろう。そこ男共は煙に包まれ、現状は把握できない。

「ッぶねぇ」

「流石です、雷斗様。衰えは無い様で」

少女は分かっていたかの様にそう言った。

女の子だけは救出できたが……、それよりもあの規模の爆発、威力。男たちの方が心配だ。

「馬鹿言え…、全力だ……」

「加減はしたので、死んではいません」

「生きてりゃいいってもんじゃないんだぞ?」

「大丈夫ですよ」

灰色が空に消えた跡、気絶をしていたが傷跡や火傷跡が無いところを見ると確かに大丈夫そうではあった。

「これで終わりですね」

少女は笑顔でそう言った。

女の子は大きな爆発で気を失っていたため、そっと草の上に寝かせた。


「兄貴ぃ!本当に、本当にありがとうございますぅ!!」


小さい子は先ほどよりも更に更に嬉しそうなオーラを醸し出し俺の前にお辞儀をした。

「……ああ、よかったよ。ま、俺よりもこいつのおかげだけどな」

「ご謙遜を。雷斗様の行動、考えあっての全てです」

「いや、本当にありがとうございます。まさか、あの折羽さんと仲睦まじいとは……」

「そんな有名なのか?」

「ご存じないので?生徒会長の補佐の娘さんですよ?」

「なっ……」

そこまでのレベルか。

「誰ともパートナーにならない最強と呼ばれた折羽千鶴さん」

少女はそう言われ少し恥じらいを見せる。

本当に俺だけを……。俺が間違っていないとずっと……。

「やはり雷斗様なんですね」

俺は今少女の笑顔に心が動いた。恋とか、そう言うものではなく、暖かい気持ちに包まれたような。

小さい子の喜びも、少女の笑顔も……。そうだ、やっぱり俺はこの笑顔を見たかったんだ。

幸せなその顔が好きだったんだ。

「ほら雷斗様の考えは人を幸せにする。そうでしょ?」

「でもな……」

「私もいますから。私は雷斗様といれるだけで幸せですよ」

う、その笑顔と言葉はずるい。

……その笑顔が見たいんだ俺は。

断ればまた悲しむ顔見る。俺が、命をさらせば幸せは増える……。この子が支えてくれればもっと。

笑顔を知ってしまった。

「断る理由はないな」

「え?」

「俺とパートナーになってくれ、折羽」

「雷斗様……。本当ですか?」

「ああ」

「私は千鶴、です」

「ん?」

「千鶴です」

「よ、よろしくな千鶴」

やっぱりぐいぐい来るな、千鶴は……。

「皆嬉しそうで、良かったよ」

「雷斗様のおかげですね!!」



一章おわりぃ、なおしぃ

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