第9話
四人がログアウトしてからのグランデ、テムジン視点です。
四人がログアウトした後二人は神妙顔で向き会っていた。それもこれもノーヴァのスキルに関してだ。
「テムジンお前あのコンボ聞いてどう思った?占い師がイカサマ使ってタロットの出てくるカード操作するって文字通り色々イカサマだろ。本当に防ぎようがねぇじゃねぇか!今はまだ良いがレベルの上がったアイツに勝てる気がしないんだか、オレ」
「貴方は基本サーチ&デストロイの脳筋ですからね。私はコンボよりも占瞳の方が遥かにヤバイと思いますよ?今は可愛い物ですが彼のステータスとSLvが上がったらどこまで下がる様になるか、なにせこのゲームのステータスはマイナスの値まであるんですから。中級以上のプレイヤーの殆どが知っていることですが運の値が低いと良くない事も起きますしね」
「そうだ、だから中級以上のパーティには遊び人やギャンブラーとかの運が高いプレイヤーを一人は入れてる」
そう、このゲームの運とは他のMMOみたいにクリティカル率やドロップ率だけでなく遭遇率やトラップの悪質さや数、受けるクリティカルの確率に関わってくる。なので運のステータスが高いプレイヤーが一人いるだけで色々変わってくる。
「やれやれこれはホントに外で話せなくなったな。ホントに掲示板に特殊派生の職業があるってだけ言うかぁ」
「たまたまとは言えスキルの組合せは彼が見つけた物ですからね。我々が他所に流して良い情報ではないでしょう」
「あ~ぁ、とんでもねぇの拾っちまったなぁ。取り敢えずオレも一回落ちて頭ん中リセットするは、コーヒーごっそさん」
「おや、貴方にまでご馳走するとは言ってなかったと思いますが?あくまで私はノーヴァさん達可愛らしいレディにご馳走したのですよ?」
「は、はぁオレからは金取んのかよ!セッコイなぁ」
そう言ってグランデは自分が飲んだコーヒー三杯分のお金を置いてログアウトしていった。
「冗談だったんですがね。ホントに払って行くとは。さて、私も片付けたら一旦落ちてお昼にしましょう。今日は暑いですからね、面倒ですし素麺で良いでしょう」
紳士を振る舞っているが基本ズボラなテムジンだった。
短いですがグランデとテムジンの会話でした。
あれだけ引っ張った初戦闘もようやく終わりました。評価や感想をくださった皆様ありがとうございます。とても励みになりました。拙い作品ですが、これからも読んで頂けたら幸いです。