裸足
路上にはみ出した君の素足がなんかかっこつけた僕を笑ってた。
いつまで、どこまでって決めないで、このまま行けるとこに行こう。
虹の前じゃ、どんな比喩だって無様だ。
君は笑った。靴持った両手がピエロみたいだ。
幸せを想像するといつも途切れる。
ゴールの手前で僕たちは別れる。
怒りの手前で、哀しみの手前で、遠慮してる自分がいる。
あの飛行機はミサイルを積んでて、鉄の雨を降らしてて、
かたや車にはガソリンと殉教者。
足が吹っ飛んで何か変わるだろうか。
命が積まれてって何か変わるだろうか。
私たちの無力は、いつだって思い知るけど、
かき混ぜる空気が何かを生むかもしれないって、
そう思うと。そう思うと。
路上にはみ出した君の素足が、なんか比喩を
いい比喩を産み出しそうで、
じっと見つめている。
その頭上を飛行機雲がまっすぐに溶けてく。
このまま、行けるとこに行こう。