事故と生死。
結局、何も話せなかったカウンセリングを終え、僕は帰路についた。いつもに比べたら、かなり時間が遅い。
思ったよりあそこで時間を過ごしたようだ…
校門を出て少し歩くと、狭い道と十字路がある。ここら辺は住宅街で、周囲は家に囲まれている上、道路が狭いため、死角がある。ここで自転車を飛ばして事故った人もよくいるくらいだ。
そんな道を歩き、十字路へ差し掛かったとき、何かが飛び出して来た。
飛び出してきたのは…
車
ではなく、2人の学生だった。
妙に見たことがあるツラだなー
誰だろー
あっはっはー
て、
「お前らかよ。」
2人の学生というのは、リイナとショーだった。
「ヤッホー(^^)」
ショーはとても軽い感じで挨拶してきた。
「リク、会いたかった…」
リイナは今にも飛びつきそうな勢いだ。
はっきり言って、うざい。
「なんでお前らここにいるんだよ?」
僕は2人に聞いた。
「君の家にお邪魔したいから、かな。」
ショーはさらりと答えを言った。
冗談じゃない。僕を押し倒し、いけない事をしようとした痴女のリイナだけでも迷惑なのに、無駄にチャラくてウザいお前まで家に上げろと?
「丁重にお断りさせていただきます。それじゃ、さよなら!」
僕はダッシュで走り出した。
その時、僕は大事な事を忘れていた。
ここが死角だらけの危険地帯だという事を…
キイーーーーー!
タイヤの急ブレーキの音。
しかし、間に合わず。
間に合わなかったのは、僕も、車もだった。
僕は車に撥ねられ…
ドサッ
地面に落ちた。
何だろう…
この赤いのは…
血…なのかな…これ…
僕の…血…
たくさん…流れてる…
死ぬ…のかな…
あ…目がかすれてきた…
眠くなってきたかもしんない…
ピーポー ピーポー
誰かが呼んだのだろう…
救急車の音だ…
間に合わなくてもいいけどな…
あ、音も…聞こえなくなってきた…
ん?誰?ああ、アキラか…
ごめんね、君を先立たせて…でも、もうすぐ、そっちに行くから…
アキラ?なんで首を振ってるの?
なんで、そんな悲しい顔してるの?
アキラ、ねえ、教えてくれよ…
アキラ…アキラ…!
行かないでくれよ!




