94話 死んだ者との会話
「怪物の飴玉…?」
と村上漢頭は聞き返した。すると、デリットが言った。
「聞いたことがある。紫色の飴玉で、それを食べると数分間、怪物の肉体を手に入れることができるってな…。それだけじゃない。あれは三大悪魔武器のなりそこないの武器…。三大悪魔武器とは、悪魔の継承と悪魔の鉄拳と悪魔の邪眼…これらは全て使用者の身体を変化させる武器だ…。だが、怪物の飴玉はあまりにもエグイため、表では忘れられた武器だ…」
「よく知ってるじゃないか…裏切られし小悪魔…」
と牙斐矢は言い、両足を怪物のような太い足に変化させ、デリットに襲い掛かった。
「愚かなる三人の悪魔の一人…魔神に選ばれし三悪魔よ!!」
一方、ホテルの入り口前では僕たちの目の前に悪魔六剣士が現れた。
「バカな…こいつらはもう…死んだはずじゃなかったのか…!?」
とマースさんは言った。その召喚された悪魔の中にはかつて戦ったネロスもいた。
「ここは…人間界か…?」
とネロスは言い、僕を指差した。
「お前は…松田隼人…か…。どうだ…?ゼルキルムの野望は…阻止できたのか…?」
「あぁ、ネロス…お前は死んだんじゃなかったのか…?」
「死んだ。だが、この感じ…どうやら生き返ったようだ…身体が重いがな…」
「もし、お前が生き返ったのならば…頼みがある…」
「頼み…?」
「俺たちに力を貸してくれ…」
するとネロスは答えた。
「わかった。お前に力を貸そう」
と言い、ネロスと僕は握手しようとしたとき、狩武が僕たちを見て言った。
「俺の邪魔は何人たりとも許さん…!!」
すると、狩武は手を合わせた。それと同時に悪魔六剣士はバタッと倒れ込んでしまった。
「おい!大丈夫か!」
と僕は言ったとき、ネロスは無言でムクッと起き上がった。他の剣士たちも起き上がると、ネロスは剣を抜いて僕に襲い掛かってきた。僕は瞬時に悪魔化し、攻撃を避けた。
「やっぱり…戦わなきゃいけないのか…?」
「精神操作だ…あいつら悪魔六剣士は俺の道具にしかすぎない…」
と狩武が言ったとき、レアルの口から魔神のパンチが飛んできた。
「俺に触れるな!」
と狩武は言うとレアルを魔神のパンチごと吹き飛ばした。
「キャア!!」
とレアルは言い、地上に落ちいった。するとゼルキルムはレアルの足を掴み、肩に乗せた。
「飛べねぇなら無茶すんな!この小悪魔!」
「アンタが全く攻撃しないからアタシがしただけさ!ほら、攻撃が来るぞ!」
とレアルは言うと、ゼルキルムは狩武が手のひらから放った光線を避けた。その光線は海のほうに落ちていき、凄まじい爆発が海の上で起きた。
「なんつう威力だ…」
とゼルキルムは言っていると、狩武は高速のような速さでゼルキルムの顔面を掴んだ。
「ぐお!離せッ!」
とゼルキルムは狩武の腕を掴み、顔面から離そうとしたが、万力のような力で離せなかった。
「ゼルキルムを離せ!」
とレアルは言い、口から魔神のパンチを放ったが、狩武は翼で強烈な突風を起こし、レアルを吹き飛ばした。「くそぅ!!」とレアルは言い、地上に落ちていってしまった。
「くそぉ!!すまない…松田隼人ぉ…!!!」
とゼルキルムは言ったとき、狩武はニッと笑い、ゼルキルムの顔面を手のひらから放つ光線とともに、ゼルキルムの頭を吹き飛ばした。その光景を見たレアルは地上に向かって落ちながら言った。
「ゼルキルムゥー!!!」