92話 戦場への覚悟
「なんだ⁉あの翼は⁉」
とセレシアは空に浮かんでいる松田狩武を見て言った。すると真司が言った。
「あれが、初代悪魔王と天界の神の力なのか…⁉」
「いいや、違う!あれは初代悪魔王でも神の力でもない!偽物の力だ!」
と僕は言った。
「なぜわかる⁉」
と天真が聞いてきた。僕は答えた。
「天魔の門から脱出するときに色々あったのさ…」
「じゃあ、あの翼は何だ⁉ただの見せ物だって言うのか⁉」
「多分…違う…」
と僕は答えると、マースさんが僕たちに言った。
「とりあえず、このホテルから出るぞ!エレベーターに乗れ!」
すると、僕たちはエレベーターに乗った。
一方、狩武の前にゼルキルムが飛んできた。
「今の俺に近づくと、どうなるかわからないぜ?ゼルキルム」
と狩武はゼルキルムに言った。ゼルキルムの肩にはレアルが乗っていた。
「狩武!ここで決着をつけるぞ‼」
とレアルは言うと、狩武はゼルキルムとレアルの二人に言った。
「来るなら二人いっぺんに来い。じゃないと退屈だからな」
一方、エレベーターの中でマースさんは言った。
「いよいよ、最後の戦いか…」
「軟弱な弟よ」
とセレシアがマースさんに言った。
「なんだよ…姉さん…」
「絶対に…死ぬなよ…」
とセレシアはマースさんを睨みながら言った。
「大丈夫だ、俺は死なねぇ。死ぬのは姉さんをかばう時だけだ」
「もし、状況がヤバくなったら…。アタシを置いて逃げろ…」
「逃げはしねぇよ。俺はもう、大切な人を失いたくないからな」
すると、エレベーターが衝撃で揺れた。
「なんだ⁉この衝撃は⁉」
と僕たちは混乱していた。
その衝撃の原因はもちろん、狩武たちの戦いである。ピエーヌと牙斐矢は駐車場で村川漢頭と裏切られし小悪魔 デリットと戦っていた。
「くそ!狩武は逃がしたか!」
と村川漢頭は言うと、ピエーヌが言った。
「狩武様の邪魔はさせませよ。あなた方はここで死んでもらいます」
すると、ピエーヌと村川漢頭はお互いに向かって走り出した。牙斐矢はデリットに言った。
「魔神に選ばれし三悪魔の力、見せてもらおう」
「さて、やるか」
とデリットは言い、戦闘態勢になった。