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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第5章 受け継がれた想い
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87話 選ばれた松田隼人

 何もない空間に飛ばされてしまった僕は七年後の僕と共に出口である門を探した。

「………」

 と七年後の僕は僕のことをじっと見ていた。

「なんだよ?さっきからジロジロと…」

 と僕は七年後の僕に聞いた。

「いや…何でもない…さっさと出口を探すぞ…」

「何でもないならジロジロ見んなよ…ったく…気が散るだろ…」

 と僕はグチグチ言いながら出口を探した。


「……なぁ、七年前の俺…」

 と七年後の僕は僕に言ってきた。

「なんだよ?七年後の俺…」

「お前に話さなければならないことがある…」

「話さなければならないこと…?」

「お前のその眼…それは悪魔の邪眼グラヴィレイだな…?」

「あぁ、お前も持ってんだろ?」

「……いや、俺はその眼を持ってはいない…」

「…は!?」


 僕は七年後の僕を指差して言った。

「なんで持ってないんだ!?父さんからもらってるはずだろ!?」

「いや、悪魔の邪眼グラヴィレイのおじさん…いや、松田直人まつだなおとが俺の父さんだったってことは…すべて二年前にいたさらに七年後の僕に聞いたよ…」

「お前は…父さんだってことを知らなかったのか…!?」

「…あぁ。俺だけじゃない。今までこの異空間に来たお前以外の俺たちは…全員…悪魔の邪眼グラヴィレイを宿してはいない…」

「…どういうことだよ…!?意味わかんねぇよ!!」

松田隼人まつだはやとっていう人間が…この異空間に来ることは、決められた運命だった…だが、お前は違う。お前という松田隼人は…今までの松田隼人とは違い…悪魔の邪眼グラヴィレイを宿している…」

「だから…なんだよ…?」

「最初にこの異空間に来た者の名は…最強の魔術師と言われている…その者は悪魔の継承インヘリタンスの力を最大限まで使いこなし、その時代では絶対強者と言われていた…。その魔術師は一番最初にこの異空間に来た松田隼人に言ったんだ」

「なにを?」

「今から千年…いや、それよりもずっと遠くの時代に、悪魔の邪眼グラヴィレイを宿したお前がやってくる…そいつはこの世に破滅をもたらすか…この世に平和をもたらすか…この世の運命と言っていいほどの松田隼人が来る…その悪魔の邪眼グラヴィレイを宿している松田隼人が来たら、これを使えってな…」

 と七年後の僕は言うと、光り輝くカギを取り出した。

「なんだ?この鍵…?」

「出口への門を開けるためのカギだ。俺たち松田隼人はずっと…千年…いや、何憶何万年前から…悪魔の邪眼グラヴィレイを宿したお前という松田隼人を待っていたんだ!」

「はぁ!?俺っ!?ってか鍵持ってたのかよ!?」

「さぁ行け!お前は選ばれし松田隼人だ!お前が、悪魔界、天空界、人間界に平和をもたらすんだ!!」

 と言い、鍵から光が反射した。その光はだんだん大きな門の形になった。僕はその門の中に引きずり込まれた。



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