表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第5章 受け継がれた想い
90/231

86話 脱出不可能!?

「ここは…どこだ…?」

 僕は気がつくと真っ白な異空間にいた。何もなかった。その空間には何もなかったのだ。……いや、遥か遠くに一人の少年の姿が見えた。

「誰かそこにいるのかー!?」

 と僕はその青年に聞いた。その青年はヨロヨロ歩きだし、僕の前に立った。

「やぁ、元気そうだね」

 その青年の姿はまるで僕だったが、少し大人びていた。

「お前は…俺なのか…!?」

「そうだ。俺はお前だ」

「マジ…?」

「でも、まさかここにお前がくるとは…そりゃそうか、俺が来たんだからな…」

「お前は俺だというけど、そんなことないだろ?俺は俺だぜ?」

「俺は…お前たちのいる世界の裏側の世界で生きていた…お前だ…」

「は?」


 その僕に似た大人びた青年はこの異空間を説明した。

「この場所は天魔の門ジ・ゲートという表の人間界と裏側の人間界を繋ぐ門の中。つまり、俺たちは今、二つの世界のど真ん中にいるってわけだ」

「つまり、ここから出るには二つのうちの正しい門をくぐれってことなのか…?」

「ちがうな、残念ながらこの門から出ることは不可能だ…」

「なんだと…!?」

「創造神 レティアにしかこの門は開くことはできない。と神話であるからな。正直、本当にこの空間に門があるとは思えないが…」


 僕は辺りを見渡した。僕たち二人以外、何もなかった。

「諦めて、未来を捨てるしかない。お前がここに来た理由は天使の継承者 武沢天真たけざわてんまに負けたからだろ…?」

「…なんでそれを…?」

「俺は7年前にこの異空間に封印された。天使の継承者 武沢天真たけざわてんまに負けてな…。つまり、俺がいた世界は、お前たちの世界の7年後の世界なんだ…」

「あぁ!なんだがよくわかんねぇよ!!」

「そうだよな…。いきなりこんなこと言われても…だが、これだけは理解しろ…」

「ん?」

「さっき言ったが、俺たちにはもう、未来は無い…」

「おいおい、そんなことないだろ!?生きる方法はあるはずだ!きっと出口が…」

「さっき言ったがこの空間の出入り口は二つの門だけさ。しかもその門はレティアしか開けられない。俺が7年前ここにきたとき、今のさらに7年後の俺がいたのだが、2年前…栄養失調で死んだ。もう死体は灰と化したさ…」

「そんな…」


 僕は地面に倒れ込んだ。

「このまま死ぬっていうのか…。そういえば、お前はさっき俺の前まで歩くのにヨロヨロだったじゃないか…!!」

「7年間何も食べてないからね…しょうがないよ…」

「俺は探すぞ…」

 と少年の僕は起き上がり言った。

「探すって何を…?」

 と7年後の僕は座って聞いた。

「この空間の出口を…!!」



 一方、ホテルの総理大臣の部屋の前では真司が天真に勝負を仕掛けていた。

「来い、山田真司やまだしんじ

 と天使化した天真は真司を睨みつけ言った。

「勝ち誇ってんじゃねぇぞ…!!隼人の敵は…俺が討つ!!!」

 と真司は言うと、邪神の弓矢デイモンアーチェリーを構え、矢を放った。その矢は一直線に天真に向かって飛んでいった。

「そんな矢が、俺に通じると思ったのか?」

 と天真は聞くと、矢を触れても無いのに弾き飛ばした。


「見ろ、天真の奴…あの状態になってるぜ…」

 と森島がセレシアに言った。

「あれこそが…天空の神と言われる状態…天神状態だ…」


「すぐに葬ってやる。覚悟しろ…」

 と天真は言うと、突風を真司に飛ばした。

「ウオッ!!飛ばされるッ!!」

「その突風には真空波が隠されており、お前の身体を少しづつ切り裂く…」

 と天真が言うと真司の左足と右腕に切り傷がついた。

「お前では話しにならない。消えてなくなれ」

 と天真は言い、右手を上げ右手に雷を宿した。

「ヤバい!!なんかヤバいぞ!!」

 とマースさんは真司を守ろうとしたが、天真は真司に雷を飛ばし、ホテルが電撃に包まれた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ