83話 第五回戦…!!
《戦闘開始!》
というレティアの声と共に、僕と狩武は異空間に飛ばされた。そして、次に目を開けたときにいたのは、この前と同じ誰もいない遺跡だった。
「またここで戦うのか…」
と天真は周りを見渡して言った。
この遺跡には生き物もいない。人なんてもちろんいない。いるのは僕と天真の二人だけだった。
「さぁ、始めようぜ?第五回戦を…、天使と悪魔の…運命を決める決戦を!!」
と天真は言い、僕に襲い掛かってきた。
悪魔の邪眼しか持っていない僕は悪魔化できなかった。
悪魔化したときのたった少しのダメージは、僕がノックアウトしてしまうほどのダメージだった。
つまり、天真の攻撃はできるだけ避けなければいけなかった。しかし、天真の天使化した右ストレートが僕の腹にクリティカルヒットしてしまった。すごい激痛だ。腹の中にあるものが出てきそうなくらいすごかった。
「ぐああああ!!」
と僕は腹を押さえ、苦しんだ。
「そうか、そうか、悪魔の継承が無ければ悪魔化できなかったな。しかも悪魔の継承はこちらの手にある…。もう終わりだ、松田隼人。ここで消えろ…」
と天真は言い、倒れている僕に渾身の一撃を放った。
遺跡にドォン!!という音が鳴り響いた。あまりのパンチの強さに天真周辺に土煙が漂った。
「終わったか…」
と天真は言い、土煙が晴れたとき、そこに僕はいなかった。
「なっ!?松田隼人はどこに行った!?そんなバカな!?」
と天真が混乱状態になり、辺りをキョロキョロ見渡した。そして天真は僕を見つけたとき、天真は驚いた表情をしていた。僕は空中に浮いていたのだ。悪魔の邪眼の重力の力を使えば空を飛ぶことなど造作もなかった。
「空中だと…!?」
と天真が腰を抜かしている隙に、僕は天真に向かって急降下し、飛び蹴りした。ちゃんと天真の身体の天使化していない部分を攻撃したので、ダメージはかなり高いはずだ。僕はそのまま地面に着地した。
「どうした天真?これなら悪魔化しなくても勝てそうだぜ…?」
と僕は天真に挑発した。が、天真は笑い出しながら言った。
「ククク…、なら出し惜しむ必要はないよなぁ…?なぁ…?松田隼人…」
「まだ力を隠しているとでもいうのか…!?」
と僕は天真に聞いた。すると、天真の身体の全てに聖なる文字が刻まれ、やがて、聖なる文字だけでなく、天真の身体は電光と突風で包まれた。
「これが、俺の最終形態。天神状態だ!!」