82話 二つの戦い
「来たな…、天真!!」
と僕は天真に向かって大声で言い放った。
「そこをどけ、松田隼人。俺たちはその部屋にいる総理大臣に用があるんだ…」
と天真は言い、天使の継承を身に着けた。
聖弥が僕に言ってきた。
「そう言えば、今のお前には悪魔の継承が無かったんだったな!!なら、殺すのは簡単だ!すぐに楽にしてやるよ!!」
そう言うと、聖弥は銃を構えた。
「さらばだ、愚かな継承者…」
と聖弥は言い、ピストルを撃とうとしたとき、聖弥は壁に飛ばされた。
「なんだ…!?」
とその光景をみたセレシアと康彦は驚いていた。
「くそっ!!一体なんだってんだ…!?」
と聖弥は言い、銃をガチャガチャ変形させ、マシンガンの形にした。
「すぐに殺してやるッ!!」
と聖弥は言い、連射させた。
しかし、
僕のほうに飛んできた弾は全て、地面に叩き落とされた。
「あれは…重力による技…」
と天真は気づいたようだ。
しかし、
気付いていない聖弥はまた連射しようとした。
聖弥が連射する直後、僕は重力による技で聖弥を地面に叩き落とした。
「クソがッ!!奴は悪魔武器を持っていないはず…!!なのになぜ…!?」
といまだにわからない聖弥に天真が言った。
「愚か者!松田隼人の眼を見ろ!」
「眼…?眼なんか見たって…」
と言いつつも聖弥は僕の眼を見た。
「なるほど、松田隼人あの眼は悪魔の邪眼か…。しかも両目とも…」
とセレシアも気付いた。
「そういうことか、道理で重力を操れるわけだ…」
と聖弥も理解したそうだ。
「ここからは俺がやる。聖弥、お前は下がってろ」
と天真は言い、身体の三割が天使化した。
「天真の相手は俺だ。お前達は天皇陛下の部屋の入り口を封鎖しろ!」
と僕は真司たちに言った。
そのとき、
ある声が聞こえた。
《戦闘条件が整ったので、再び第五回戦を開始します。第五回戦は天使の継承者 武沢天真。悪魔の継承者 松田隼人の戦いです》
「これは…レティアの声だ…!!」
とマースさんは言った。
「まだ天使と悪魔の戦争は続いていたのか…!!」
と聖弥は言い、セレシアが言った。
「なら、この戦いの勝者側の願いが叶うということか…!!」
僕と天真は戦闘態勢になった。
それと同時に、レティアの声が聞こえた。
《戦闘開始!》
そのころ、
ホテルの駐車場では狩武たちの前に村川漢頭と裏切られし小悪魔 デリットが現れた。
「また来たのかい…?懲りない奴だ。松田狩武」
と村川漢頭は言い、悪魔武器 亡霊の番傘を構えた。
「ワタクシどもが援護します。狩武様。あちらには厄介な裏切られし小悪魔がいますが、こちらには狩武様だけでなく、ワタクシと牙斐矢もいます。戦力はこちらが有利です」
とピエーヌは言い、ピエーヌの額は赤い♥に変わった。
「ピエーヌ…」
と狩武は言い、ピエーヌを睨み言った。
「邪魔をするな。こいつらは俺が倒すと言ったはずだ」
「は…はいッ!!」
とピエーヌは言い、後ろに下がった。
「戦うのはお前だけなのか?狩武」
とデリットが聞いたとき、狩武は答えた。
「昨日、計画通り総理大臣を誘拐できなかったことに、俺は今イラ立ってる…。すぐに終わらせよう。跡形もない姿にしてな…」
「こりゃあ、真面目に戦わないと、殺されるな…」
とデリットは言った。
「覚悟しろ…」
と狩武は言い、戦闘態勢になった。